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淹れる

おいしいコーヒーを飲むために、
知ってほしい抽出メソッド。
 ペーパードリップからエスプレッソまで、
様々な抽出方法とその魅力をご紹介します。

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初心者

〈 ハンドドリップで淹れる 〉

ハンドドリップの中で最も手軽でポピュラーなのが、
ペーパーフィルターを使う淹れ方です。


【ペーパードリップでの淹れ方】

ペーパーフィルターは使い捨てなので器具の手入れは簡単ですが、抽出の仕方によって味わいに違いが出てきます。
安定的においしいコーヒーを抽出するためにも、ペーパードリップの基本をおさえましょう。
アイスコーヒー編はこちら


【必要な器具】

《ペーパーフィルター》

《ドリッパー》

《サーバー》

《細口ドリップポット》

《メジャースプーン》

《カップ&ソーサー》

※お湯を静かにゆっくり注げるように、ポットの注ぎ口が細いものを選びましょう。


【適したコーヒーと分量】

カップ一杯分(約140cc)あたり、10~12gが適量です。使うコーヒーの種類や焙煎度はお好みで構いませんが、豆から挽く場合は「中細挽き」にしましょう。なお、既に挽いてあるパッケージ商品の多くは中細挽きになっています。

コーヒー使用量のめやす:お好みで加減してください
1杯分:
10~12g
2杯分:
20g前後
3杯分:
25~30g前後
4杯分:
35~40g前後

【おいしい淹れ方】

❶ 必要な器具をそろえ、お湯を沸かす。

飲みごろの温度に抽出するために、ドリッパー、サーバーなどの抽出器具、カップやソーサー、スプーンなどは、あらかじめ温めておきます。お湯は汲みたての水道水などを沸かしておきます。お湯が沸騰したら火をとめ、表面のボコボコした泡が鎮まったときが抽出に理想的な温度(95℃前後)です。

使う水について、詳しくは水・温度についてで解説しています。

❷ ペーパーフィルターをセットする。

フィルターの底の接着部分を外側に折り、次に側面の接着部分を内側に折ります。ドリッパーに軽く抑えつけるようにしてセットします。

※写真は台形の1〜2杯抽出用のフィルターとドリッパーです。抽出したい杯数に応じて器具のサイズもいろいろありますが、フィルターとドリッパーは必ず形やサイズの合うものを使い、隙間なくセットしてください。

❸ フィルターにコーヒー粉を入れる。

全体にムラなくお湯を注ぐために、ドリッパーを軽く振り、粉の表面を平らに均しておきます。

❹ コーヒーを蒸らす。

おいしいコーヒーを淹れるために必ずやっておきたいのが、「蒸らし」です。初めにコーヒーに少量のお湯を、そっと乗せるように注ぎ、粉全体に均一にお湯を含ませてから、20秒ほどそのままにして蒸らします。注ぐお湯の量は20cc程度、95℃前後が適温です。サーバーにポタポタとお湯が数滴落ちてくるのを目安にしてください。

[アドバイス]
「蒸らし」の時に、コーヒーが膨らむのは、コーヒーに含まれるガスが放出されるため。ガスを出すことで、コーヒーとお湯がなじみやすくなり、お湯の通り道ができます。つまり「蒸らし」は、コーヒーのおいしい成分を十分に引き出すための大切な工程なのです。

中心から静かにお湯を
のせて20秒
湯量:20cc

❺ お湯を注いで抽出する。

コーヒー粉の中心に、小さな「の」の字を描くように、お湯を80cc→40cc→20ccと3回に分けて優しく注ぎます。水面が上から1/3程度減ったら次のお湯を注ぐようにします。ここでは一杯分を抽出するときに注ぐ湯量の目安を記載していますが、サーバーについている「一杯分」の目盛りを見ながら注いでみても良いでしょう。

Point1:お湯は中心に真上から注ぐ

フィルターの「壁面」の側からぐるっとお湯をかけて抽出していませんか?この注ぎ方では、コーヒー全体から成分をまんべんなく抽出することができません。お湯は、中心で小さく「の」の字を描くように注ぎます。

慣れてきたら、注ぐお湯の量とサーバーに落ちるコーヒーの量が同じになるように意識して注いでみてください。下にある図のようにドリッパー内に注いだお湯の水位を一定に保つように、細口ポットから出るお湯の量を調節することがおいしく淹れるポイントです。

コーヒーの粉を平らにならした面と、ポットから注ぐお湯の角度が「90度」になるように静かに注ぎましょう。

Point2:抽出後のカスもチェックしましょう!

カスの表面を見ると細かな泡が残っています。細かな泡はコーヒーのアク、つまり雑味のもとになる成分です。フィルターの内側で、コーヒーのカスが均一な厚みの層になっていて、表面に細かな泡が残っていれば、抽出されたコーヒーは、雑味のないクリアな味になっているはずです。

❻ カップに注ぐ

抽出したコーヒーは、温かいうちにカップに注ぎましょう。カップはあらかじめ温めておきましょう。

合計160cc注ぐとおよそ
140cc(カップ1杯分)の
コーヒーが抽出できます。


【おいしいコーヒーの淹れ方応用編】

アイスコーヒーの淹れ方やその他いろいろな抽出器具にもチャレンジしてみましょう。

〈 水・温度について 〉

コーヒーの約99%は水です。
コーヒーをおいしく抽出するには、
豆だけでなく、使用する水の選び方や
お湯の温度にも注意が必要です。


【水による味の違い】

水道水やミネラルウォーターなど使用する水によって、引き出されるコーヒーの味わいも変わってきます。

水は硬度、つまり溶け込んでいるミネラル量から、大きく「硬水」と「軟水」に分けることができます。

このミネラル成分のバランスによって、水そのものはもちろん、抽出するコーヒーの味わいにも違いが出てきます。「軟水」「硬水」のどちらがコーヒーに適しているか、好みは人それぞれですが、硬度の違いによる味わいの傾向をふまえて、好みの水を追求してみてください。

軟水 硬水
水の特徴 そのまま飲んでみるとサラッとしている。カルシウム・マグネシウムなどのミネラル分が少ないので、コーヒー成分に影響を与えにくい。 そのまま飲んでみると噛めるような感覚。コーヒー成分と反応しやすいカルシウムやマグネシウムといったミネラル分が多く含まれている。
コーヒーの
味わい
マイルドで酸味の立つ味わいになる。コーヒーそのものの特徴が出やすい。 マグネシウムの多い水を使った場合には、特に苦味が強くなる傾向がある。

※「水の硬度」とは、水に含まれるカルシウムやマグネシウムのイオンの量を炭酸カルシウムに換算し、水1リットルに含まれる量のことを言います。WHOの基準では、1リットルあたり0〜60mgを軟水、60〜120mgを中軟水(中硬水)、120〜180mgを硬水、180mg以上を超硬水としていますが、一般的に100mg以下を軟水、100mg以上を硬水としています。


【水道水でも良いの?】

日本の水道水は場所にもよりますが、ほぼ軟水です。水質は世界的にみてもかなり高い水準だと言えますので、十分おいしいコーヒーを淹れることができます。汲みたて、沸かしたての新鮮な水を使うのはもちろんですが、以下のような点にも注意してみてください。ちょっと気をつけるだけでコーヒーのおいしさもアップします。

水道水を使う時の注意ポイント

Point1:塩素臭(いわゆるカルキ臭)を軽減する

コーヒーの香りを阻害する水道水独特の臭いは、一度沸騰させることである程度軽減できます。また活性炭が入っている濾過器(浄水器)を取り付けると、さらに改善されます。

Point2:朝、蛇口から出る最初の水は使わない

前日から蛇口にたまっていた水なので使わないほうが良いでしょう。

Point3:鉄分の多い水は使わない

水道管が古くなっていたり瞬間湯沸かし器の水を使ったりすると、水の中に鉄分が流れ出てくることがあります。鉄分はコーヒー中のタンニンと結びついて味や水色に悪い影響を及ぼします。


【適切な抽出温度】

飲み物には、おいしさを感じる適温があるといわれます。一般的にあたたかい飲み物は60〜70℃くらいの間、冷たい飲み物は5〜11℃くらいの温度がおいしいと言われています。

コーヒーにも同様に飲み頃の温度があります。抽出器具によっては、非常に高温になったり、抽出中に少しずつ冷めてきたりするので、抽出するお湯の温度からコーヒー提供時と飲み頃の温度まで気を配りたいところです。

抽出時の湯の温度 提供時の温度 飲み頃の温度
ホット 92〜96℃ 80〜82℃ 68〜70℃
アイス 2〜4℃ 4〜6℃

【湯温による味の変化】

同じ品種・焙煎度のコーヒーを使用しても、湯温によって抽出される成分が異なるため、抽出時の湯の温度が味にも影響を及ぼします。コーヒーは、粉とお湯が接することで成分が抽出されますが、その成分は表面だけではなく粉の中心からも抽出されます。このとき、「酸」や「糖」などの成分は、粒子のサイズが小さく軽いため、比較的低温でも粉の中心部から溶け出してきます。対して、「苦味」や「酸味」などをつくる成分は、粒子のサイズが大きく重いため、抽出するには比較的高温のお湯を使用する必要があります。ただし、高温にしすぎると「苦味」や「酸味」の成分が強くなりすぎるだけではなく、余計な雑味まで抽出されるため注意が必要になります。

抽出されやすい
成分
特徴
低温 酸や糖など
粒子が小さく
軽い成分
苦味や渋みといった溶け出しにくい成分の抽出を押さえられるが、軽い味わいになる傾向がある。
高温 軽い成分

苦味や渋みなど
粒子が大きく
重い成分
苦味や渋味の成分が早く出てくる。

TOPICS 淹れたてのコーヒーを冷めにくくするために

コーヒーは、熱すぎるよりも冷めた方がその味がはっきりわかります。しかし、おいしいと感じられる温度の限度は60℃と言われています。おいしいコーヒーを楽しむために、冷めにくくする工夫をご紹介します。

❶ カップを温めておく。

コーヒーが冷めるのをできるだけ防ぐために、あらかじめカップを温めておきましょう。グラフが示すように、カップを温めない場合は抽出後約7分で60℃に達してしまいますが、温めた場合は約9分と、2分間も遅らせることができます。ソーサーも温め、その下に断熱材としてのクロスを敷いておくと、より効果的です。

《余熱の有無によるコーヒーの冷め方の違い》

❷ 底の厚いカップを使用する。

カップに厚みがあるほど保温力は高まりますが、口が触れる部分が厚すぎると飲みにくくなってしまうため、下部は厚く、上部は薄くなっているカップが最適と言えます。

他にも、席を立つ場合にはカップにフタをする、カバーをかぶせるなど様々な方法でコーヒーを冷めにくくすることができます。

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中級者

〈 いろいろな抽出器具で淹れる 〉

コーヒーカルチャーの発展とともに、
様々な抽出方法や抽出器具が生まれてきました。
こちらでは多種多様な抽出器具と
その使い方をご紹介します。


【ペーパー、布フィルターを使う抽出器具】

使い捨ての紙フィルターや、洗って使える布フィルターを使う抽出器具はこちらから。


【樹脂メッシュフィルターを使う抽出器具】

樹脂性のメッシュフィルターのついた抽出器具で、手軽にアイスコーヒーを淹れてみましょう。


【金属フィルターを使う抽出器具】

味わいの特徴がダイレクトに出やすい金属フィルターを使う抽出器具はこちらから。


【フィルターを使わない抽出器具】

コーヒー粉を煮出して濾さずにカップへ注ぎ、上澄みのコーヒー液をいただく中近東のスタイルはこちらから。

〈 多彩なドリッパー 〉

ペーパードリップで使用する「ドリッパー」は、
形や素材も様々。
自分の味わいづくりにあうのはどれか、
いろいろ試してみるのも面白いですよ。


【ドリッパーの形状や材質】

ドリッパーはコーヒーの粉にお湯を注ぎ、フィルターで濾過することによりコーヒー液を抽出する器具です。昨今は、多様な形状と材質のドリッパーが販売されていますが、形状は大きく「台形タイプ」と「円錐タイプ」の2種に分けられ、それぞれの形に合ったフィルターも販売されています。また、形状の違いの他にも、プラスチックや陶器、ステンレス、銅など材質も様々です。

台形タイプ(陶器)

台形タイプ(陶器)

台形タイプ
(プラスチック製)

円錐タイプ(銅製)

円錐タイプ(陶器)

円錐タイプ
(プラスチック製)

TOPICS リブについて

ドリッパー内部には「リブ」と呼ばれる溝が刻まれています。リブにより生まれたペーパーフィルターとドリッパーの壁面の隙間は、抽出液を下に流れやすくしています。つまり、リブの溝があまり無いものは液だまりしやすい特徴があります。


TOPICS 抽出時間と味わい

同じドリッパー(3つ穴タイプ)を使用して、穴の数を変えた抽出実験をしてみました。その結果、下記のような味わいの特徴が見られました。(粉量、湯量、抽出スピードの抽出条件は全て同じ)

穴の数 1 2 3
抽出時間 おそい ややおそい はやい
味わい特徴 苦味や渋み、濃厚感もあり。 まるく、フラットな味。 明るい酸味が際立つ。

※粉12g 量160ccを使用

ドリッパーの穴の数が少ない(穴の面積が小さい)ほど、お湯はドリッパーの中に長く留まり、また反対に、穴の数が多い(穴の面積が大きい)ほど注いだお湯はすぐに落ちていきました。前者は抽出時間が長くなり、後から溶け出す苦味や渋みの成分までじっくりと抽出され、味に重厚感が出ました。後者は抽出時間が短くなり、苦味や渋味成分まではあまり抽出されず、より明るい酸味が感じられました。

Point:ドリッパー選びのポイント

形状やデザインが先ず気になるところですが、上記のトピックスにあるようなリブの仕様や抽出時間の傾向を頭にいれておきましょう。ついつい、ドリッパー底部の穴の面積が大きなものや、穴の数が多いものほど、すぐにお湯が流れて抽出が早くなるように思われがちですが、実際には、お湯はまず先にコーヒー粉と紙フィルターの抵抗を受けて通って行きます。つまり、コーヒーの量や粒度、鮮度などからお湯が浸透していく状態をよく見極め、お湯を注ぐスピードをコントロールする「技術」の方が味わいづくりの影響が大きいと考えられます。

〈 フィルターの素材 〉

コーヒーのフィルターには、様々な材質があり、
その違いによってコーヒーの風味や舌ざわりも
変わってきます。


【ペーパーフィルター】

家庭用として最も馴染みがあるペーパーフィルターは、使い捨てができて安価であること、取り扱いが簡単なのが特徴です。抽出されるコーヒー液は、ペーパーの細かな繊維質に油分が吸着し雑味が濾過(ろか)されるため、スッキリとした味わいになります。

[ペーパーフィルターを使用する抽出方法]


【金属(メタル)フィルター】

金属フィルターは、表面に施された細かなメッシュ加工により濾過(ろか)するため、コーヒー豆が持つ油分(コーヒーオイル)や豆が本来持つ味わいをすべて抽出できます。ややにごった液色になりますがしっかりとしたコクも表現でき、舌ざわりもまったりとします。コーヒーを淹れた後はフィルターを洗い流すだけと手入れも簡単です。

[金属フィルターを使用する抽出方法]


【布フィルター】

「ネルフィルター」とも呼ばれており、「フランネル」という織物でできています。ペーパーフィルターよりも目が粗いのでいろいろな成分が抽出されやすく、コーヒー豆の油分も通しやすいことから、ペーパードリップよりもまろやかな舌ざわりが楽しめます。繰り返し何度も使用できますが、使い込むほどに目が詰まり抽出が遅くなる傾向があります。使用前後の煮沸、水に浸けて冷蔵庫で保管するなど、手入れが必要となります。

[布フィルターを使用する抽出方法]

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上級者

〈 エスプレッソのカルチャー 〉

エスプレッソ(Espresso、英語のExpressと同義)は
イタリア語で「急速・急行」を意味します。
イタリアで誕生し、およそ100年の間に世界中で
知られるようになったエスプレッソは、最近では芸術的な
ラテアートの人気により、カルチャーとしても
コーヒーシーンを広げています。


【エスプレッソマシンでの淹れ方】

エスプレッソはペーパードリップなどの抽出と違い、強い圧力をかけて抽出します。おいしいエスプレッソをつくるには、すばやくスムーズに抽出しなければなりません。それを何気なく行うバリスタの動きには、おいしいエスプレッソの理由が隠されています。


【適したコーヒーと分量】

エスプレッソ専用のミルで極細挽きにした粉を使います。焙煎度はシティロースト以上の深炒りで、一杯分の目安はシングルの場合6〜12g、ダブルはその倍が目安です。

【手順】

❶ まず、保温のために残しておいたフィルター内のコーヒーかすをきれいに拭きとります。

❷ エスプレッソ専用のミルで、抽出の直前に使う量のコーヒーを極細挽きにし、ホルダーに均一に詰めます。

❸ フィルター内の粉は手のひらや指を使い、均一に抽出できるよう平らに慣らします。ホルダーやリングの淵に付着した粉も取り除きます。

❹ タンパーを用い、フィルター内の粉を押し固めます(タンピング)。均一な抽出をするために、粉が水平に傾かないように圧力をかけるのがポイントです。理想的な抽出のために力加減は粉なの状態を見て調整します。(目安として15〜20kgの力)

❺ 粉を詰めたホルダーをエスプレッソマシンに装着する前に、必ず抽出口に残っているコーヒー粉を洗い流します(フラッシング)。

❻ タンピング後、ホルダーをマシンにしっかりとセットしたら、速やかに抽出ボタンを押します。ボタンを押して少しすると、ハチミツを垂らした時のように細くトロみのある抽出液が垂直に落ちてきます。20〜30秒で、25〜35cc抽出できるのが理想です。

※抽出時間が長いと余計な雑味まで出てしまいます。逆に短時間にたくさん抽出すると薄いエスプレッソになってしまいます。

❼ エスプレッソの抽出が終わると、表面に赤褐色の滑らかな泡の層ができます。これを「クレマ」と呼び、キメ細かくクリーミーで、スプーンでかき回しても消えないのが特徴です。クレマは、溶け出した水溶性の成分と不溶解性オイルなどが乳化現象を起こしてできます。おいしいエスプレッソは、このクレマの層が5~7㎜の厚さになるのが理想的です。

Point:抽出のポイント

コーヒーのかすがしっかり固まり、フィルターの形のまま出てきた時、理想的なエスプレッソが淹れられたサインとなります。


【ハートのデザインカプチーノの描き方】

さまざまなラテアートのデザインの基本となるのがハート形です。最初はカップを置いたままで、ピッチャーの動きに集中してミルクを注ぐ感覚をつかんでいくと良いでしょう。

【手順】

❶ カプチーノカップにエスプレッソを抽出します。

❷ エスプレッソマシンのスチームノズルで、フォームドミルクを作ります。よく冷えた牛乳250ccをピッチャーにいれ、スチームノズルをつかって空気を含ませながら撹拌し、60〜70℃まで温めます。

[アドバイス]
ミルクに空気を含ませながら、撹拌を同時進行で行います。スチーミングの始めに、できるだけ細かな泡を作ります。60〜70℃の適温で仕上がるよう、温度の変化に注意しましょう。

❸ 軽くピッチャーをゆすってなじませると、ツヤのあるキメ細やかなクリーム状になり、キレイな模様をつくりやすくなります。

❹ カップの真ん中にミルクを注ぎます。注ぎはじめはピッチャーとカップの距離をやや離すことで、エスプレッソのクレマの下にミルクを潜り込ませます。

❺ 液面がカップの半分ほどになったところから、ピッチャーの注ぎ口を液面に近づけます。ピッチャーの先が液面に近づくと、ミルクのフォームが液面に浮いてきて、白い模様ができます。

❻ 液面がカップの縁いっぱいに近づくまで注ぎ続け、ピッチャーの先を上に向けながら白い円の中心を切るようにするとハートがキレイにできあがります。

TOPICS 世界に広がるエスプレッソ・カルチャー

● イタリア

エスプレッソの抽出法が研究され始めたのは19世紀後半です。イタリアで初めて特許を獲得した業務用機械「エスプレッソマシン」の改良とともに、エスプレッソは世界中に広く知られるようになりました。イタリアで「CAFFE」と言えばエスプレッソのこと。バール(BAR)と呼ばれる立ち飲みコーヒー店でエスプレッソを提供するバリスタが定着し、人々はたっぷりと砂糖を入れたエスプレッソをサッと飲み干します。現在もバールはイタリアの日常生活に欠かせない存在として根付いています。

● アメリカ・シアトル

アメリカに本格的なエスプレッソが広まったのは1980年代初頭のシアトルからと言われています。テイクアウト専門だけでなく、カフェスペースを備えた店も続々と登場し、自宅と学校・オフィスにつぐ第3の場所「サードプレイス」として、IT関連企業や大学などが多いシアトルのライフスタイルに定着しました。その後、大規模なチェーン店の展開とともに「シアトル系」として世界中に広まりました。

● 日本

日本でエスプレッソが注目されるきっかけとなったのは、1990年代半ばに相次いだシアトル系カフェのオープンです。セカンドウェーブの世界的な広がりとともに、スペシャルティコーヒーなどコーヒーの品質を追求するスタイルや、気軽に楽しめるテイクアウトといったスタイルを取り入れながら、日本独自の進化を遂げています。バリスタへの注目も年々高まりを見せています。