おいしいコーヒーの淹れ方

ブレンドとは
マイブレンドに挑戦!

コーヒーの味わいに無限の可能性を与える「ブレンド」。

数種類のコーヒー豆を配合することで、ストレートにはない新しい風味を作り出すことができます。

ブレンドとは

味や香りの世界でよく耳にする「ブレンド」という言葉。
コーヒー豆を配合するブレンドは、どういった目的で行われるのでしょうか。

ブレンドの目的と役割

好みの風味、新しい風味を作る

無限に広がる味わいの可能性が、ブレンドの大きな魅力です。
ブレンドすることで、様々なコーヒー豆の持ち味を活かしながら、ストレートでは味わうことのできない新しい風味、好みにあった「おいしい」コーヒーを創造することができます。


品質や価格を維持・安定させる

コーヒーは農作物ですので、味のばらつきや価格の変動が起こります。
調和のとれた味わいや品質を維持し、価格を安定させるのもブレンドの大きな役割です。

代表的なブレンド例

コーヒーの配合、つまりブレンドのレシピはどのように決めているのでしょう。
ここでは代表的なブレンド例をいくつかご紹介しながら、ブレンドの組み立て方を解説します。

ブレンドの考え方

ブレンドは、その組み合わせや配合によって数限りないパターンを作ることができます。
しかし、ブレンドするコーヒー豆の数が多すぎてもバランスが崩れてしまうため、2~3種類、多くても5種類程度で構成するのが一般的です。

代表的なブレンド方法に次のような考え方があります。

考え方① ベースになる豆を決め、その豆を中心に他の豆で風味のバランスをとる方法。
考え方② 性質が全く違う豆を組み合わせて風味に幅をつける方法。
考え方③ 性質の似た豆同士を組み合わせることで全体の味を整え、そこに個性的な風味の豆を加えてアクセントをつける方法。

何十種類もあるコーヒー豆の風味を飲み分け、記憶し、焙煎の段階でそれぞれのコーヒー豆の風味がどのように変化するかを理解していなければ、ブレンドを考えることはできません。
つまりブレンドは、コーヒーに精通したプロのなせる技と言えるわけです。

代表的なブレンド例

こちらは代表的なブレンドの配合例を、酸味や苦味といった風味の特徴ごとに並べたものです。
(豆1つが10%)

マイブレンドに挑戦!

数種類の異なるコーヒー豆を揃え、自分好みの味と香りに仕上げる方法を、ステップごとに解説します。
あなただけの味、憧れのマイブレンドを創ってみませんか?

人形のイメージで考えるブレンドの基本

ブレンドは「個性」を強調するか、「コク」を強調するか、または「全体のバランス」を強調するかによって、完成イメージが変わります。

ここでは、ブレンドの設計をイメージしやすくするために、個性を出す部分を「頭」、コクの強さを「胴体」、後味を「足」と見立て、人形を作るイメージで豆選びを説明します。
個性(顔)を強調すれば頭の大きい人形になり、後味(足)を強調すれば、人形は足長になるというふうに、自分の理想のイメージに合ったブレンドを作っていきましょう。

【Step1】味わいの個性(顔)を決める

まずは、それぞれのコーヒーが持つ味わいの特徴からおさらいして、好みのタイプを選びましょう。
ベースにする豆の配合率は3割以上とし、その個性を特に際立たせたい場合は、5割程度配合するようにしましょう。

ブラジル(浅炒り)
アーモンド、ナッツ系やトースト、麦芽のような香ばしさが特徴。ブレンドのベースには最適。

コロンビア(浅炒り)
円熟したコクがあり、バターのような肉厚な舌触り。キャラメルやドライフルーツのような甘い香りも持ちあわせる。

モカ(浅炒り)
紅茶やグリーンアップルを思わせる青い果実のイメージの明るく軽やかな風味。

マンデリン(浅炒り)
豊かなコクを堪能できる。重厚感のあるビロードの舌触り。アプリコットや南国の果実味を伴う。

タンザニア(浅炒り)
グレープフルーツのような柑橘系のフルーティで心地よい甘みを伴った酸味が特徴。

【Step2】ボディ(胴体)の強さを決める

次は、コーヒーの持つコクや濃厚感を決めましょう。

味の特徴はさほど強くなく、コーヒーらしさを備えた豆を使うとよいでしょう。
今回は基本をおさえるために、コクに特徴がある豆とすっきり系の豆で違いを出してみます。

コロンビア(浅炒り)
コクが強い。

タンザニア(浅炒り)
コクが弱い。(すっきりとしている)

【Step3】後味の余韻(足)を決める

コーヒーを飲んだあと、口の中にふわりと残る余韻。
それが、長いか短いかを選びましょう。

ブラジル(深炒り)
余韻が長い。

タンザニア(浅炒り)
余韻が短い。(キレがある)

【Step4】コーヒー全体の味わいのバランスを確認する

STEP1で個性を、STEP2やSTEP3で、コク・濃厚さと余韻を調整するのがポイントです。
設計パターンを変えて、いろいろ楽しんでみましょう。

例えばベースを「モカ」にした場合、配合バランスによって次のような新しい味わいになります。

軽やか系
・モカ浅炒り 50%
・タンザニア浅炒り 30%
・ブラジル深炒り 20%

モカの風味や特徴が主役となり、かつすっきりと、後味軽やかな味わい。

バランス系
・モカ浅炒り 50%
・タンザニア 30%
・ブラジル深炒り 20%

モカの風味や特徴が感じられ、コクが深まり、飲んだ後の良いんが長く感じられる。

重厚感系
・モカ浅炒り 30%
・コロンビア浅炒り 30%
・コロンビア深炒り 40%

モカの風味や特徴がほんのり感じられ、しっかりとしたコクとキレの良さが感じられる。