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「UCC品質コンテスト」は、特定の産地におけるコーヒー生産者らを対象にした、コーヒーの品質に関するコンペティションです。2001年にブラジルのエスピリットサント州で初めて開催して以来、開催国を徐々に増やし、これまでに世界7カ国で開催実績があります。
生産者は、UCC品質コンテストに自らが手掛けた最高品質のコーヒーを出品し、その順位を競います。生産者は、出品に向けて努力を重ねることで、品質が向上し収入が増え、生産意欲の向上に繋がります。UCC品質コンテスト上位入賞者は、賞金・農具・買付金額にプレミアムが付くなど、生産国の事情に応じた副賞を得る事ができます。
私たちは「UCC品質コンテスト」を通じて生産者と良好な関係を築くことで、上質なコーヒー生豆を安定的に調達することを目指しています。
コーヒー価格は、需給・投機・為替など様々な要因で変動します。2001年、過去最低の価格である生豆1ポンドあたり41.5 セントまで下落しました(コーヒークライシスと呼ばれています)。
当時、生産コストが 70~80 セントと言われており、作れば作るほど生活が苦しくなるというほど、コーヒーは生産者にとって魅力のない農作物となってしまいました。
このような状況において、生産者は、コスト削減のため施肥やメンテナンスなど農園への投資を控える、あるいはコストが掛かる収穫作業を短縮しがちになります。しかし、そういった行動は品質の悪化に繋がり、その結果、さらに生産者の収入は減少する、という悪循環を招いてしまいます。
加えて、コーヒーが魅力のない作物となれば、生産放棄や他の作物への転作に繋がり、コーヒーの生産量は減少します。消費国側からすると、良質なコーヒーの安定的な調達が困難になります。このような状況に危機感を持ち、状況を改善するために始めた取り組みが、UCC品質コンテストです。
こうして2001年に
UCC品質コンテストは始まった。
これは最高を目指すコンテストではなく、
広く、ベースの品質を上げることで
農家の方々の生計向上への貢献を目指すもの。
今では、地域のブランディング、農家の方々の生計向上、安定供給につながっている。
品質コンテストは様々な国で開催されています。
●ベトナム品質コンテストの様子
●ジャマイカ品質コンテストの様子
2021年からは開催20周年を機にサステナビリティ視点も評価に追加。
昨今、SDGsへの関心が高まり、またコーヒー産業においても、持続可能性を重要視していくべき状況のなかで、生産者にも、サステナビリティ対応の重要性を理解してもらうため、コンテストの審査に具体的な項目を設定しています。
原材料等の調達から加工、流通、
販売まで履歴を追跡できる状態に
するためのコーヒーの管理など
土壌の管理や、農薬の管理
(散布記録や保管など)、
労働者への研修など
廃棄物や排水の適切な処理など
強制労働や児童労働の禁止、
労働環境の整備など