直営農園

ハワイHawaii

様々な取り組みに
チャレンジできるのは
直営農園だからこそ。
ハワイでのグッドプラクティスを
世界に発信していきます。

UCCハワイコナコーヒー直営農園

UCCハワイコナコーヒー直営農園では、気候変動に着目した農法や、CO2排出量の定量化に向けた取り組みなどにチャレンジし、環境負荷の少ないサステナブルな農園の実現に向け努力を重ねています。

GLOBALG.A.P.認証の取得

  • 2022年末、UCCハワイコナコーヒー直営農園は持続可能な生産活動を実践するための国際標準の生産工程マネジメントである「GLOBALG.A.P.認証」を取得しました。GLOBALG.A.P.認証の取得は、コーヒー農園としては世界的にも先行事例がほとんどなく、日本企業では初の事例となります。認証の取得によって、取引先や消費者との信頼性構築、生産工程の明確化による生産性向上、その他従業員のモチベーションやリスク管理意識の向上など様々な点が期待できます。

    ※GLOBALG.A.P.認証とは
    GOOD(適正な)、AGRICULTURAL(農業の)、PRACTICES(実践)の略で、GLOBALG.A.P.(グローバルギャップ)認証とはそれを証明する国際基準の仕組みを言います。

    レユニオン島のブルボンポワントゥコーヒー農園の様子

現在の取り組み

  • シェード農法

    2020年から、シェード農法に取り組み始めています。
    ハワイでのコーヒー栽培では、シェードツリーを植えない栽培方法が一般的です。このたび直営農園では、気候変動による気温上昇が生産性へ悪影響を及ぼすことを想定し、実験的に導入を進めています。

    ※「シェード農法」とは
    コーヒーよりも背の高い木(シェードツリーまたは日陰樹)の下で、木陰を作ってコーヒーの木を育てる農法です。直射日光に弱い品種を、強い日差しから守りながら健康に育てられるほか、多様なシェードツリーを植えることで農園内の生物多様性をはぐくむことができます。

    レユニオン島のブルボンポワントゥコーヒー農園の様子
  • リノベーション

    現在農園では、計画的なコーヒーの木の植替えを実施中です。ハワイ島は海底火山の火山活動で形成された溶岩島であるため、農園の土には多くの溶岩が混ざっています。
    今回、植替えの際には、栽培環境改善のため、溶岩を取り除く大規模な土壌改良も同時に行い、その後苗木の植え付けを行っています。

    UCCハワイコナコーヒー直営農園の土壌改良の様子

    土壌改良後、新しい苗の植え付けを行う。

  • ウェットミルの入れ替え

    コーヒーチェリーの加工工程における品質向上や作業効率向上を目指し、2022年にウェットミル設備の更新を行いました。
    設備更新によって、果肉除去(パルピング)や異物除去工程の速度UP、工程間の搬送などがオートメーション化されるなど、作業の省力化、効率化に大きく寄与しています。また工程一つ一つの精度が高まることで、最終的に出来上がる品質の向上にも繋がりました。チェリー投入口の高さなど細かな所にもこだわり、作業者の負担軽減を意識した設備設計となっています。

    その他、工程廃棄物が一か所に集約されるシステムになったことで、これらをたい肥化(右画像)させ有機肥料として農園に戻すというフローができ、サステナブルな農園活動にも大きく貢献しています。

  • その他、コーヒーの可能性を
    さらに広げる取り組みも実施中

    栽培、加工工程で様々な取り組みに挑戦し、これまでになかった価値創造を目指してコーヒー作りを行っています。

    ①ハニーコーヒー:収穫されたコーヒーチェリーの外皮を剥した後に、酵母を使って嫌気条件下(酸素のない状態)で発酵処理を施します。果肉由来の甘いフルーツのような風味が感じられるコーヒーです。(左画像)

    ②バレルエイジドコーヒー:何カ月もの間、コナコーヒーをラム酒樽の中で熟成させ作り上げます。ラム酒の甘い香りがコーヒーを包み込み、通常品とは一味違う風味を楽しむことができます。

    ③ローリナコーヒー:カフェインを通常コーヒーの約半分しか含まない特殊品種ローリナを農園内で栽培しております。

衛星リモートセンシング技術の活用

  • 衛星画像を利用した持続可能な農園管理の手法確立を目指し、国際航業株式会社との協働で2021年の内閣府「先進的な衛星データ利用モデル実証プロジェクト」に申請し採択されました。
    プロジェクト期間は終了しましたが、今後も継続してこの技術を農園管理に活用していく予定です。(リリースリンクへ)

    ※「衛星リモートセンシング」とは
    衛星に搭載されたセンサで取得された情報を解析することを衛星リモートセンシングといい、この技術を使うと、遠隔地の農作物の品質や生育状態を把握することができます。

    <この技術から確認できたこと、今後期待されること>
    ①衛星写真の解析によって、施肥の時期の判断やエリアの絞り込みなど確認ができた。この技術の活用によって、遠隔地からの農園管理もしやすくなり、また生産効率の向上も期待できる。
    ②シェード農法と衛星画像解析を組み合わせることで、シェードツリーの生長によるCO2の吸収量を評価できる。解析結果を参考にシェードツリーの植樹計画を立てることで、気候変動緩和につながると期待できる。
    ③遠隔地からの情報収集が可能なので、社員の渡航回数を減らすことができ、移動時に排出するCO2を削減できる。

    UCCハワイコナコーヒー直営農園における衛星画像解析イメージ 植物の活性度を示すヒートマップ

生産国との取り組み 〜栽培から1杯のコーヒーに至るまで〜 Action