コーヒー関連事業
UCCは安全でおいしいコーヒーの安定的な供給を目指し、創業以来、生産国との協業に取り組んでいます。
直営農園を拠点として蓄積したコーヒーづくりのノウハウは、農事調査室のメンバーの活動を通じて、世界のコーヒー生産地へと共有されているのです。
1981年、ジャマイカに直営農園を開設し、栽培から販売まで一貫したサプライチェーンを構築したのち、1999年、農事調査室を設置しました。
生産国と消費国を繋ぎ、“from Seed to Cup”を体現する事を使命として、主に直営農園事業など生産国との協業、品質コンテストなど生産国への支援、そして生産国の魅力を発信するPRなど、様々な活動を行っています。
年間約3分の1から半分を世界各地のコーヒーの生産地で過ごし、生産者の方々に直接品質改善や栽培方法などをアドバイスすることで「農家の方々の生計」や「森林保全」に寄与する活動を推進しています。
UCCグループの一環したコーヒー事業の象徴となるのが、直営農園です。日本のコーヒー業界で初めてジャマイカのブルーマウンテンエリアで農園事業を手がけ、1989年にはハワイ島コナ地区に直営農園を開設しました。生産地で自らコーヒーを育てることで、気候変動がもたらす課題を解決しうる効率的な生産技術の実験の場となり、世界のコーヒー技術の進歩につながっています。
また、より多くの方にハワイコナコーヒーの魅力を伝えるべく、ハワイコナの直営農園では、農園見学ツアーや焙煎体験ツアーなどを展開し、一貫したおいしいコーヒーづくりを体験できる農園として、設備の拡充を図っています。
2つの直営農園について
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農園経営が始まるも、ブルーマウンテンエリアと呼ばれる急斜面でコーヒーを栽培するのは容易なことではありません。派遣された日本人社員たちは、ジャマイカの厳しい環境に幾度も打ち砕かれながらも、この土地で最高のコーヒーを栽培するために現地での技術指導と研究を続けました。
やがてその情熱は国境を越え、社員と現地スタッフが一体となり農園運営が軌道に乗りはじめました。1982年には「ブルーマウンテン基金」が設立され、社員からの支援物資が駐在社員を支え、現地での作業を活気づけたのです。
1983年2月、UCCブルーマウンテンコーヒー直営農園から初めてブルーマウンテンコーヒーが日本に輸入されました。それは、長年にわたる上島忠雄の夢、UCC社員の夢が現実となった瞬間でした。はるか海を渡って届いたかぐわしい香りに誰もが酔いしれたのです。現在では、ブルーマウンテンコーヒーの日本での輸入量の約半分をUCCが占め、日本への供給に努めています。
さらに、1989年にはハワイ島コナ地区にUCCハワイコナコーヒー直営農園を開設。ハワイの溶岩地をブルドーザーで耕し、コーヒー生豆の一貫生産体制を整えました。これにより、UCCは高品質なコーヒーを安定供給し、日本市場での消費拡大を進めています。
戦前、初めてコーヒーの美味しさに触れ、感動し、やがて「 「農園をやりたい」そう願った上島忠雄の夢とロマンは、今もコーヒーへの情熱となってUCC社員に引き継がれているのです。
UCCブルーマウンテンコーヒー直営農園が開設30周年を迎えた2011年には、グループの代表取締役会長である上島達司が、ジャマイカ国より長年の功績を評価され「ディスティンクション・コマンダー勲章」を受章しました。ジャマイカの政治・経済・文化等のあらゆる分野に多大な貢献があった人物を称えるもので、同国が外国人に対して授与する勲章としては最高の栄誉です。日本人では、1986年に創業者の故・上島忠雄が受章したのに続き、2人目の受章者となりました。
甘味が感じられるブルーマウンテンコーヒー、爽快な酸味のハワイコナコーヒー。 それぞれ異なる魅力を持つコーヒーが育つ2つの直営農園では、カップを満たす一杯の幸せを、遠く日本へ届けるため、今日もコーヒー作りに懸命な人々が汗を流しています。