昔々、コーヒーは鍋のようなもので煮出して作られていました。細かく挽いた粉と水と砂糖を一緒に火にかけグツグツと…。煮出したコーヒーはそのまま器に注ぎ入れ、粉が底に沈むのを待ってから上澄みを飲んだそうです。
時は流れ、19世紀のフランスで画期的なポットの発明が…! 上下に分かれた2階建て構造の新型ポットは、上部の小さな穴あき金属板で粉をろ過し、コーヒー液が下部にたまる仕組み。
このポットの出現により、長い間主流だった「煮出す」スタイルに代わって「濾す」というスタイルが始まり、口当たり良く洗練された味わいが楽しめるようになったのです。味わいの進化の影には、しなやかな発想があったんですね。