UCC上島珈琲株式会社(本社/神戸市、資本金/10億円、社長/上島昌佐郎)は、2014年9月1日からブルーマウンテンコーヒー豆を原料に使用したブルーマウンテンコーヒー製品のメーカー出荷価格を改定致します。
ブルーマウンテンコーヒーは、世界最高品質のコーヒーとして称えられ、日本のコーヒー愛飲家から高い支持を得ているスペシャルティコーヒーです。UCCは1981年にジャマイカ共和国のブルーマウンテンエリアに「UCCブルーマウンテンコーヒー直営農園」を開設し、高品質コーヒーの安定供給と普及啓蒙に尽力してきました。
ブルーマウンテンコーヒーの生産国であるジャマイカ共和国は、2012年10月にカリブ海で発生したハリケーン「サンディ」の通過によって、コーヒーの木が倒れてしまうなど、同国のコーヒー産業は甚大な被害を受けました。さらに、さび病※1やコーヒーベリーボーラー(CBB)※2などの病虫害被害が拡大し、2014年度のブルーマウンテンコーヒーの生産量は前年に比べ半減する見通しです。また、直近10年の生産量のピークである2007年に比べると約80%も減少しており、需給が逼迫しています。
こうした状況のなかで、日本ではここ数年、ブルーマウンテンコーヒーを始めとするジャマイカコーヒー生豆の原料価格が高騰し、今後も高値安定、もしくはより一層の上昇基調に転じる場面もあり得るという観測が強まっています。
そこで、UCCでは、品質保持を第一に企業努力によるコスト吸収を最優先に努めてまいりましたが、現状その範囲を超える水準までに至ったことから、2014年9月1日からブルーマウンテンコーヒーを使用するブルーマウンテンコーヒー製品を対象にメーカー出荷価格を改定させて頂くこととなりました。その結果、小売店の実質店頭価格は40%以上上昇するものと見込んでおります。
ブルーマウンテンコーヒーをはじめとするジャマイカ産コーヒーの需給状況は今後さらに厳しさを増すものと考えられますが、UCCは引き続き日本の皆様にブルーマウンテンコーヒーの豊かな香りと味わいをお届けするために原料の安定確保に努力してまいる所存でございます。何卒ご理解の程よろしくお願い申し上げます。
参考
ブルーマウンテンコーヒーについて
世界最高級の品質を誇るブルーマウンテンコーヒーは、ジャマイカ東西に走る指定地域(コーヒー生産から販売に至るまで、その品質を厳格に管理する政府機関であるジャマイカコーヒー産業公社(CIB)※3が指定した地域で、標高2,256mのブルーマウンテン山系を指す)で栽培されたものだけに与えられる称号です。
ジャマイカのコーヒーは、ブルーマウンテンの他に、ハイマウンテン、プライムウォッシュなどがあります。
UCCブルーマウンテンコーヒー直営農園について
UCCは、最高級のブルーマウンテンコーヒーを日本に安定供給するために、ジャマイカに直営農園を開設し、自ら農園事業に取り組みました。日本のコーヒー業界で生産国にコーヒー農園を開設したのはUCCが初めてのことです。
1.開設日:1981年10月
2.農園総面積:約100ha(契約農園を含む)
※1さび病
コーヒー栽培上、最も恐れられている病害のひとつ。さび病菌は葉の裏側に付着すると菌糸を伸ばして葉肉を侵食し、やがてコーヒーの葉は光合成機能を失って2~3年で枯れてしまう。もともとエチオピアで発生した病気と考えられているが、その後各地へ被害をもたらすなど強い伝染力を持っている。
※2コーヒーベリーボーラー(CBB)
ボーラ—とは穴掘りのことで、コーヒーベリーボーラーとはコーヒーの果肉の穴掘り虫を意味している。
コーヒーにとって一番の害虫と言われており、成熟し始めたコーヒーの実に入り込んで卵を産み付け、ふ化した幼虫は種子(コーヒー豆)を食べて成長する。
※3ジャマイカコーヒー産業公社(CIB)
1948年、ジャマイカコーヒーの品質向上、生産量拡大、貿易秩序の維持、生産者の生活条件向上を主目的として設立された政府直轄の組織。2004年8月1日から、ジャマイカ国内における規制緩和、政府機関の民営化移行の下、商業部門を切り離した新体制でも活動を開始している。新体制の業務は、コーヒーの規格基準の設定、船積み前の品質検査、ブランド保護、各種取引の監視、監督等の規制業務等。