直営農園

ジャマイカJamaica

1981年、UCCグループは日本のコーヒー業界で初めて、ブルーマウンテンエリアの西、
標高800~900mの位置にジャマイカ直営農園を開設し、直営農園経営を開始しました。
開設以降、巨大ハリケーンや干ばつなどの自然災害や、文化や国民性の違いから起こったストライキなど様々な困難がありましたが、
農園や地域の方々と協働しながら困難を克服してきました。
現在も「UCCブルーマウンテン直営農園」では、「労働力不足」や「肥料や農薬といった資材のコスト高騰」という課題があります。
これらの課題を解決し、サステナブルな農園経営を行うために、
労働力不足の改善や生産性を向上させる対策などの取り組みが必要不可欠となっています。
ジャマイカ直営農園にて、実施している取組みの一例をご紹介します。

Main Action 主要アクション

Nature

リノベーションプロジェクトの実施

ジャマイカ直営農園では、2020年より、農園のリノベーションプロジェクトを実施中です。
農園があるブルーマウンテン地区では、かねてよりコーヒーの木の老木化や高騰する肥料コスト、
度々発生するハリケーン被害などにより年々生産性が下がってきており、国全体の課題となっています。
ジャマイカ直営農園をモデルケースとして、農園のリノベーションによる生産性改善の手法を確立させることで、
将来的にはブルーマウンテン地区全体への営農指導へと繋げることができます。

1コーヒーの木を増やし、
農園内の植付け密度を上げ、
生産量を向上させる取り組み

2栽培管理により、農園内に計画的に
新しい木を植え付け、
さらに1本ごとの
木の生産性(収穫量、質)も
あげる取り組み

ドローンを活用した栽培管理の実施

労働力不足改善のため、農園ではドローンを活用した施肥や管理を行っています。

ドローンを活用するメリット

  • ・上空からのドローン画像により、農園内の木の本数や場所、生育状況を把握でき、
    施肥や植え替え等の栽培計画をたてやすい
  • ・施肥や農薬散布の際、適切な量を、均一に撒くことが出来る
  • ・必要最小限を計画的に撒けるため肥料、農薬使用量を削減できる
  • ・計画的なドローン活用で、従前より労働力と時間の節約になる

土壌微生物多様性の改善

現在農園では、土壌微生物多様性の改善に向けて詳細な検証を始めています。
作物が育つために良いとされる土壌には、細菌・カビといった微生物や土壌動物が一つの種に偏ることなく、万遍なく暮らしています。もし一つの種に偏ってしまうと、痩せた土地となり、特定の病気が急速に広がるなどの問題が発生しやすくなります。
現在、直営農園では土壌調査により、土壌中の細菌とカビのバランスを測定し、適切なバランスとなるような改良策の実施を計画しています。
このように土壌のバランスが良くなることで、コーヒーの木の耐病性が上がり、栄養の吸いも良くなり、生産性にも良い影響を及ぼします。
今後もこの地に適した、より良い土壌に改善をしていく予定です。

People

品質コンテスト

ここジャマイカでは2014年より品質コンテストを開催しています。
この品質コンテストは、コーヒーの品質向上や生産者のモチベーション向上を目的に開催されています。
出品したコーヒーの風味評価に加えて、2021年より農園のサステナビリティ評価(トレーサビリティ、管理、環境、社会)も採点項目に取り入れられサステナブルな農業に対する生産者の意識を高める機会を提供しています。
また、ジャマイカの品質コンテストでは、地域の小学生が劇を披露したり、参加者全員でレゲエを歌ったり、伝統料理を食べたりと、地域コミュニティの誰もが心待ちにする地域の繋がりを強めるための交流の場としても機能しています。
加えて、イベントにジャマイカ政府や日本大使館の要人をお招きすることで、両国の関係強化にも貢献しています。