現在、世界経済活動(GDP)の半分に相当する44兆ドルが自然資源に由来している※1と言われており、コーヒーも自然資源の恩恵を受けています。
経済活動の発展に伴い生態系は失われ続けており、1970年以来、野生生物の個体数は平均して69%減少しています※2。
このような状況を踏まえ、世界では失われた生態系を回復し、ネイチャーを「ポジティブ」に推進する動きが広がっています。
このままでは、地球上に存在する動植物の数が著しく減少してしまうかもしれない未来を変えるために、
UCCグループでは「2040年に向けてネイチャーポジティブアプローチの実践」という目標を掲げ取り組みを推進していきます。
2030年までのネイチャー・ポジティブに向けた自然のための測定可能な世界目標
引用元:naturepositive.org
「森林破壊ゼロ宣言」の策定、
ルール作り・運用面を固める
ナーサリー建設、土壌管理、シェード
ツリーや周辺の有用生物の保護など
UCCグループが掲げる森林破壊ゼロ宣言
2025年に50%以上の森林破壊防止が
確認されているコーヒーを購入します。
私たちは世界でもユニークな『栽培から一杯のコーヒーに至るまで』一貫したコーヒー事業を展開する中で、おいしいコーヒーを生み出す地球環境を守り、地球社会への貢献に向けた取り組みを実践してきました。
その取り組みのひとつが、2009年に制定した「生物多様性宣言と指針」です。この宣言は、直営農園を持ち、1本の苗木を丹精込めて育てるために自然と向き合ってきた私たちが、コーヒーが生物多様性により維持される健全な生態系からのめぐみに依存することを認識し、コーヒーを通じて生物多様性を保全し、創造的に活動することの重要性を強く認識したことにより制定しました。そして、2022年には「2040年までにカーボンニュートラル&ネイチャーポジティブ」を目指すことを掲げました。
この実現に向けて、UCCグループは、遅くとも2030年までに、森林の破壊や転換を伴わないことをトレースし確認されたコーヒー豆のみの使用すること、を宣言します。
私たちは、森林破壊ゼロ、そしてカーボンニュートラル&ネイチャーポジティブの実現に向けて、欧州では森林破壊規制に対応して2024年末までにコーヒー豆の生産に伴う森林破壊(伐採・転換を含む)が無いことを確認するとともに、生産者やサプライヤー、NGOなどとの協働により「2030年までに自社ブランドを100%サステナブルなコーヒー調達」や「森林破壊を伴わないコーヒー栽培への農家支援」、「先住民や生産地コミュニティのサステナビリティ向上」、またこれまでのネイチャーポジティブに向けた分析で明らかになってきた「生物多様性価値の高い森林」や「一度排出されたら回収されない炭素が貯留している地域」、「将来的なコーヒー栽培適地を含めた森林破壊リスクが高い地域」での取り組みなどを更に進化させ、推進していきます。
なお、コーヒーの複雑なサプライチェーンでは、UCCグループのみでこの目標達成は出来ません。パートナーであるサプライヤーの皆さま、そしてお客さまの皆さまにもUCCグループの考え方をご理解頂き、森林破壊ゼロを実現したコーヒーを共に世界へ広げていきたいと考えています。そして、未来に向け、より良い世界のために、地球社会への貢献を目指し、自然にプラスの影響をもたらすネイチャーポジティブな企業になることを約束します。
世界に70-80あると言われる生産国・地域の中から、国際NGOコンサベーション・インターナショナルによるコーヒー生産国における
自然に関わるリスク分析結果や、UCCがかねてから注目し、UCCの農事支援活動が効果的に寄与できるエリアなど、
複数の観点から、優先的に取り組みを行う4か国(ブラジル、ベトナム、タンザニア、ウガンダ)を選定しました。
Brazil
UCCグループにとっての最重要生産国の1つであり、将来的な量のポテンシャルも見込むことが出来る生産国。
ミナスジェライス州などで農園の管理・再生を行うことにより、2050年に向けてもコーヒーにとって栽培適地の状態を維持することが出来る。
Vietnam
UCCグループにとっての最重要生産国の1つであり、今後サステナブルなコーヒー調達の拡大を目指す地域。例えば、ラムドン省では生物多様性が非常に重要で、保護も重要となっている。
Tanzania
産地支援活動により、生産量の回復が見込める地域。キリマンジャロなどでは、一度放出されると元の状態に戻すことが難しい炭素が地中に多く含まれている地域であるために、土壌の保護活動も必要である。
Uganda
今後量的なポテンシャルが見込め、施策の優先順位が高い。農事技術支援による生産量の向上や、サステナブルなコーヒー生産の啓発を通じて、地域の産業発展に寄与できる地域である。