おいしい!を極める技術

◆おいしさを“作り出す”ブレンド技術◆ ブレンドシミュレーション

原料のブレンドによりコーヒーに複雑な味わいを生み出すことができます。
UCCでは味覚センサー、分析機器の分析データをもとにして、目標とするコーヒーと全く同じ味わいのコーヒーをブレンドにより作り出す、ブレンドシミュレーション技術を開発しました(特許第7079880号)

新製法では香りと味覚の質が向上

食品やコーヒーの味を測る味覚センサーでは、コーヒーの味を数値化し、データを得ることができます。また、味覚センサーとは別に分析装置を使用することにより、コーヒーに含まれるトリゴネリンやカフェインといった成分の含有量のデータを得ることができます。

本技術では目標とするコーヒーの味わいに対し、味覚センサー、分析装置から得られたデータを基に、ブレンド素材となるコーヒーの配合比率を計算することができます。計算された配合比率に従えば、目標とするコーヒーとは異なるブレンド原料を用いて、目標とするコーヒーと遜色なく同じ味、香りを作り出すことができます。

理想の味をシミュレーションで作り出す!

コーヒー①(ターゲット)

原料 焙煎 配合
コーヒーA 浅炒り 30%
コーヒーB 深炒り 20%
コーヒーC 中炒り 30%
コーヒーD 深炒り 20%
トリゴネリン比 1.00
カフェイン比 1.00

味覚センサーデータ

コーヒー②(シミュレーション)

原料 焙煎 配合
コーヒーB 深炒り 44%
コーヒーC 中炒り 28%
コーヒーE 深炒り 12%
コーヒーF 深炒り 6%
コーヒーG 浅炒り 10%
トリゴネリン比 0.90
カフェイン比 0.93

味覚センサーデータ

異なるコーヒーを使用して
ターゲットと同じ味わいを再現

※2つのコーヒーは訓練パネルによる官能評価識別試験で有意差が検出されなかった。
※トリゴネリン、カフェインの比率はコーヒー①に含まれる量を1.0とした時の相対値

ブレンドシミュレーターと関連する技術に単品焙煎技術があります。
単品焙煎技術とブレンドシミュレーション技術を組み合わせることにより、ブレンドの原料となるコーヒーの風味を余すことなく活用する製品設計が可能となります。
これにより常に高品質で変わらないおいしさを作り出し、お客様に提供できます。

※単品焙煎技術
単品焙煎は原料ごとに最適な焙煎方法で焙煎し、その後にブレンドする製法です。
原料それぞれの特徴を最大限に引き出すことができ、 UCCでは多くの製品において、単品焙煎を行っています。

◆おいしさを “測る” 分析技術◆ UCC フードマッチングシステム

「コーヒーは食後に飲むもの」そう思っていませんか?実は、コーヒーの消費量が拡大している近年、様々な食べ物と一緒にコーヒーを飲むケースが増えています。 そこで、UCC ではお客様が食事と一緒にコーヒーを楽しめるよう、コーヒーと食べ物の相性を測る、画期的な分析技術を開発しました。
UCC が開発した「フードマッチングシステム」(特許第6475174号)では、味覚センサを用いてコーヒーと食べ物の味を数値化し、その分析結果から相性の良い食べ物とコーヒーの組み合わせをご提案します!

味覚センサを活用し、フードとコーヒーの味を
数値化

味覚センサの機械

味覚センサ(※)(※)味覚センサは株式会社インテリジェントセンサーテクノロジー製の装置。UCCではこれを応用し、熟練のコーヒー鑑定士の“舌”と同じように評価する方法で特許を取得。

数値化したデータをレーダーチャートで可視化して、チャートの形状を基に、最も相性の良い味覚のコーヒーを提案

ハンバーグ

ハンバーグの写真
ハンバーグの味覚レーダーチャートで可視化

コーヒー

コーヒーの写真
コーヒーの味覚レーダーチャートで可視化

おすすめの組み合わせ例

深掘りコーヒーとショコラケーキ

『深煎りコーヒー × ショコラケーキ』

深煎りコーヒーの苦味とカカオの苦味、お互いの強い味同士が「同調」し合い、味わいが深まります。

ショコラケーキには同調する深煎りコーヒー
『浅煎りコーヒー × 塩鮭』

『浅煎りコーヒー × 塩鮭』

コーヒーの酸味と焼き魚の塩味が、それぞれの味覚を「補完」し合い、お互いの味を引き立たせます。

塩鮭には補完する浅煎りコーヒー

◆おいしさを “保つ” 製造技術◆ フレッシュアロマシステム

コーヒーのおいしさ、最大の要因である「香り」に焦点をあて、UCC の技術を駆使した画期的な製造システムが「フレッシュアロマシステム」です。
このシステムにより豆の持ち味を最大限に引き出し、ワンランク上のエスプレッソコーヒー体験が可能になりました。

フレッシュアロマシステム

焙煎

UCC が独自開発した焙煎システム「アロマフリージング製法※」で炒りたての香りを閉じ込めます。
※焙煎直後の炒り豆をマイナス2℃で急速冷却することで、炒りたての香りを豆の内部に閉じ込める製造技術です。

ブレンド

UCC が長年蓄積してきた研究・調査データをもとに、
日本の水質と日本人の嗜好に適したブレンドを開発しています。

包装

UCC独自開発のアルミ特殊缶(特許第6173966号)で包装・成熟保存し、豆の持ち味を最大限に引き出します。

アルミ特殊缶の内部で起こっていること

STEP1

コーヒーから発生する炭酸ガスと共に、焙煎後のコーヒー豆に含まれる「香り成分」を閉じ込めます。

香り成分を閉じ込める

STEP2

容器内部の圧力が平衡になることで、コーヒーオイルに香り成分が閉じ込められた「アロマオイル」が形成されます。

コーヒーオイルに香り成分が閉じ込められる

コーヒーの多孔質の様子。
ここに含まれるコーヒーオイルに香り成分が閉じ込められる。

フレッシュアロマシステムで
製造されたコーヒー

クレマの香りを抽出したコーヒー

クレマの香り成分が33%UP!クレマの厚みが41%UP!
エスプレッソコーヒーの抽出に最も適した品質を長期間(4年間)安定的に保持することを可能に!

クレマの香りが33%アップ

通常保存コーヒー豆と6か月熟成保存コーヒー豆のエスプレッソ抽出液を比較した場合(UCC調べ)

クレマの厚みが41%アップ

通常保存コーヒー豆と6か月熟成保存コーヒー豆のエスプレッソ抽出液を比較した場合(UCC調べ)

◆おいしさを “引き出す” 抽出技術◆ 3温度ナチュラルドリップ製法

UCCは独自に開発したコーヒー抽出技術「3温度ナチュラルドリップ製法」で、より香り・コクを引き出す抽出を実現し、コーヒーを製造しています。

新製法:3 温度ナチュラルドリップ製法(特許第 6086640 号)

3温度ナチュラルドリップ製法では、3温度・3工程の従来法にさらに工夫を加えました。
低温~中温での抽出を連続的に行うことで、より多くの香り成分をじっくりと引き出すことに成功しています。

従来の抽出法と新しい抽出法の比較 従来の抽出法と新しい抽出法の比較
新製法では香り成分が約40%アップ
新製法では香りと味覚の質が向上