「コーヒー栽培」はどのように
世界に広まったのでしょうか?
野生のコーヒーが人と出会い、
界中で
栽培されるまでの軌跡を
追っていきましょう。
1.コーヒー
「2つの発見伝説」
そもそもコーヒーは誰がどこで発見したのでしょうか?そして、どんなストーリーがあるのでしょうか?コーヒーが最初に発見されたと言われる伝説を2つご紹介します。
ヤギ飼いカルディの伝説
ひとつは、「コーヒーの実を山羊が食べて興奮しているのを見つけた山羊飼いが自分も食べてみたら精気がみなぎってくるのを感じ、近くの修道僧たちにすすめたところ、彼らは長年悩んでいた儀式中の睡魔から救われた」というものです。
イスラム教徒シーク・オマールの伝説
もうひとつは、「無実の罪で追放された回教徒が、小鳥がついばんでいる実を見つけ食べてみたところ、やはり活力が沸くのを感じ、やがてはその煮出し汁で病人を救った功績により罪を解かれた」というもの。
前者のヤギ飼い・カルディの伝説は「キリスト教」、後者のシーク・オマールの伝説は「イスラム教」をそれぞれ背景に持つと言われ、コーヒー2大発見伝説として知られています。
あくまで伝説なので、その真偽は定かではありませが、これらの伝説が興味深いのは、コーヒーの飲用効果に触れられていることです。
科学の発達した現代では常識とされているコーヒーの薬理効果を、当時の人々はすでに知っていたということですね。