20
2022.06.24
2022年6月11日、UCCの有志メンバーが集まり、六甲山の自然整備を主に行っている「森の世話人」活動を実施してきました。
この活動は、自然災害など様々な森の危険性を回避するために、また緑豊かな六甲山の未来を守るために考案された「六甲山系グリーンベルト整備事業」の取り組みの一環になります。UCCはこの「森の世話人」活動団体に2010年4月から参加しています。
六甲山は神戸で生まれ育ったUCCにとっても身近な存在です。その六甲山がいつまでも、安全で緑豊かな山であり続けるためのお手伝いができる機会を、私たちはとても楽しみにしています。今回はそんな想いを持って取り組んでいる「森の世話人」活動についてや、当日の活動風景をご紹介いたします。
「六甲山系グリーンベルトの森づくり実施要領」に基づき、国土交通省 六甲砂防事務所に森づくり活動を認められた企業・市民団体のことです。
様々な活動を通して、市民参画による森づくりを推進しています。活動内容は各企業・団体により異なりますが、主な内容としては林内の整理、伐採、植樹、調査・観察など多岐にわたります。
UCCでは、倒木・枯木の除去、ネザサ(雑草)刈り、植樹(11月のみ)、苗木の育成などを主に年に3回(3月、6月、11月)活動を行っています。活動エリアとしては、神戸薬科大学北部の保久良エリアです。
▶▶ 六甲砂防事務所 森づくりページはこちら
「森の世話人」活動が生まれた背景は、六甲山の特徴と災害の関係にあります。
六甲山の特徴として、崩れやすい地質であることが挙げられます。六甲山は風化した花こう岩(マグマが地下深くでゆっくり冷えて固まったもの)で出来ており、見た目は堅そうでも力を入れると割れてしまうほど崩れやすい性質となっています。また、風化した花こう岩は水に対しても非常に弱い状態です。
このような特徴により幾度か水害を引き起こしており、過去には「昭和の3大水害」と呼ばれる土石流が市街地にも流れ込んだ大水害も経験しています。
また1995年1月17日に起こった阪神淡路大震災は神戸の街に大きな被害をもたらしました。その影響は神戸の街を見下ろす六甲山にも及び、六甲山系では山の斜面が崩れたり、地割れが発生したりしました。地震によってゆるんだ地盤は不安定で、昨今増え続けている警報級の大雨などにより土砂災害が引き起こされる危険性もあります。
こうした背景を踏まえて、「災害に強い山づくり・自然豊かな森づくり」を目指して考案されたのが「六甲山系グリーンベルト整備事業」です。この活動範囲は六甲山だけではなく、周辺の山々にも広がります。そして市民参画による活動の輪を広げるために、「森の世話人」が生まれ、現在約50の団体・企業が登録され活動しています。
写真は当日活動場所に到着した際に撮影したものです。前回活動をしてから約3か月が経ち、ネザサが覆い茂っていました。赤い矢印で示したポールが立っている場所が、植樹をしたエリアになります。苗木が見えないくらい、ネザサが育っていました。
今回はこのネザサを刈り込みバサミや電動草刈り機などで刈っていきました。当日は雨が降り始めそうな天候でしたが、なんとか活動中は持ちこたえて作業を行うことができました。
実際に植樹した木の周りを中心にまずは刈っていきました。
植樹は毎年11月に行っています。植樹した苗木も、年数が経ってきたものは段々と大きくなってきています。苗木は毎回来るたびに少しずつ様子が変わっているので、それを記録するのも楽しみのひとつです。
2010年から活動を始め、毎年10本ずつほど植樹しているので、現在で植樹した総数は120本近くになります。しかし残念ながら枯れてしまったり、イノシシの被害や人的被害を受けたりしたことにより、植樹したすべての苗木が順調に育っている訳ではありません。少しでも苗木が大きく育ってくれるように、植樹した場所を金網で囲い、様々な被害から苗木を守っています。
ネザサの刈り取り作業が終了し、最後に撮影したものが右の写真になります。
あれだけ覆い茂っていたネザサも無くなり、植樹している苗木もしっかりと確認できるようになりました。体力も必要とする作業ですが、みんなで協力して整備活動を行い、綺麗になった森を見るのはとても気持ちの良いものです。
微力ではありますが、他の企業・団体とも協力して行っているこの「森の世話人」活動が、自然災害の抑止力や六甲山の環境を守るための一翼を担うことができればと願っています。
※「UCCサステナビリティチャレンジ」は、UCCグループのサステナビリティビジョン「コーヒーの力で、世界にポジティブな変化を」に基づく
目標の達成のため、グループ全体で日々取り組んでいるさまざまなサステナブルアクションをご紹介するコンテンツです。