UCC Sustainability ChallengeUCC サステナビリティチャレンジ

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2025.02.20

コーヒーの苗木寄贈の取組み
SEEDING FOR THE FUTURE
「未来への種まき」

現在、当たり前のように私たちの身近にあるコーヒーですが、コーヒー産業では様々な課題を抱えており、このままでは将来コーヒーが飲めなくなってしまうかもしれないとも言われています。
UCCグループの1つである株式会社ユニカフェは、これら課題の解決に向けて、コーヒーと生産者の未来を守るため、コーヒー生産者に苗木を寄贈するSEEDING FOR THE FUTUREの取組みを行っています。
今回はそのSEEDING FOR THE FUTUREについて、取組み内容や貢献する製品などの紹介を行いたいと思います。

コーヒー産業が抱える課題

気候変動に関するリスク

コーヒーは気温や降雨量など環境の影響を大きく受ける農作物です。しかし昨今の地球温暖化の影響により、コーヒーを栽培できる土地が減少してしまい、2050年には現在栽培している土地の約半分が今のままでは栽培に適さない土地になってしまうとも言われています。
また地球温暖化による気温の変化に伴い、病気や害虫も発生しやすくなり、収穫量や品質の低下も招いてしまう恐れがあります。

生産者の生計に関するリスク

コーヒーの木は、植え付けから収穫まで約3年の年月を要します。また、病気や老化により収穫量は減少していくため、安定的に生産するために新しい苗木への定期的な植え替えが必要になります。しかしコーヒー豆は環境や需給バランスなどによる価格変動が大きく、コーヒー生産者は安定的な収入を得ることが難しい現状があります。コーヒーの木に必要なケアを施すための費用が不足し、ケアを行えずにいると、コーヒーの品質は低下し、品質が低下すれば収入も減少するという負のスパイラルに陥ってしまいます。その結果、コーヒー生産をやめたり、別の収益性の高い作物に切り替えたりする生産者が増えるリスクを抱えています。

これからもコーヒーを当たり前に飲み続けるためには、環境面の配慮や、生産者への経済的なサポートなどコーヒー産業が抱えるこれら課題解決に向けて取組むことが必要です。この課題背景から生まれた取組みがSEEDING FOR THE FUTUREです。

SEEDING FOR THE FUTUREの取組み

SEEDING FOR THE FUTUREは、ユニカフェがコーヒー産業をよりサステナブルにしていくことを目的に2022年より行っている取組みです。

SEEDING FOR THE FUTUREのロゴマーク(右図)がデザインされているコーヒー製品の売上の一部が、生産者へ寄贈される苗木購入費に充てられます。現在ベトナム、グアテマラ、ブラジルの3か国の生産者に対して、2024年末までに累計本数115,960本の苗木を寄贈しています。(一部協賛企業さま分も含みます)

この取組みにより、コーヒー生産者が継続的に栽培を行うための植え替えにかかる生産コストを削減することができます。また、寄贈する苗木は病気や害虫に強い品種を選んでいます。植え替えにより徐々に木が置き換わることで、気候変動による気温や湿度の上昇で懸念される病気や害虫の被害増加の対応にも繋がると考えています。

苗木寄贈の取組みに貢献する製品

業務用サービス事業を展開するUCCコーヒープロフェッショナルより、このSEEDING FOR THE FUTUREに貢献する新製品「UCP ワンドリップコーヒー 苗木寄贈 紙 業務用 10g」が1月に発売されました。
ブラジルとグアテマラのアラビカ種100%を使用しており、ほどよい苦みと甘みのある豊かな後味が特長の満足感のある味わいに仕上げています。製品パッケージには紙素材を採用し、紙の質感が伝わりやすい白色を基調に、コーヒーの花・葉・コーヒー豆・ドリップをモチーフとした幾何学模様をデザインしています。

この製品の売上の一部がSEEDING FOR THE FUTUREの活動に充てられ、取組み推進に繋がります。

2024年 ベトナム生産者への苗木寄贈

2024年もベトナムのコーヒー生産者への苗木寄贈を行いました。ベトナムにおける寄贈エリアは、主要生産地Gia Lai省の3県(Pleiku県、Chu Prong県、Dak Doa県)です。このエリアにおいて、コーヒーの木の植え替えを検討していた94農家に、高収量で病気に耐性のある品種、TR4種(ロブスタ)のコーヒーの苗木を計17,860本(1農家平均190本)寄贈しました。
苗木の寄贈の際には寄贈セレモニーが行われ、専門家による植樹方法の指導をしていただき、コーヒー生産者に苗木寄贈を行いました。

実際に寄贈した生産者からは、「苗木を寄贈頂きましたこと心より感謝申し上げます。また、寄贈頂いた苗木は大変品質が良く、コーヒーを効率よく栽培できそうで大変有難く思います。本プロジェクト継続・拡大と共にGia Laiで栽培されているコーヒーをより多くご購入頂けると嬉しいです」という感謝のお言葉をいただき、改めて苗木寄贈の必要性を実感する機会ともなりました。

2022年からスタートした苗木寄贈の取組みも3年目を迎え、2022年・2023年に寄贈した苗木は大きく成長をしていました。
苗木を寄贈した農園を訪問すると、2022年に寄贈した農園は挿し木での寄贈だったため、通常と比べ生育速度が速く2m前後まで成⾧しており、2024年に初めて収穫が行われました。2023年に寄贈した農園の苗木も順調に成⾧しており、50㎝程度の大きさになっていました。

このように寄贈した苗木の成長を見届けられるのもSEEDING FOR THE FUTUREの醍醐味の1つかもしれません。

ユニカフェは、今後も継続して苗木の寄贈・成長したコーヒー豆の購入を行うことで、生産者が持続的にコーヒー豆の生産を行えるよう支援してまいります。SEEDING FOR THE FUTUREの取組みを通して、コーヒー産業の課題解決に貢献し、これからもコーヒーを当たり前に飲み続けられる未来を目指します。

関連URL

▶▷ 株式会社ユニカフェHP「SEEDING FOR THE FUTURE」
▶▷ UCCニュースリリース「コーヒー生産者への苗木寄贈の取り組みに参加できる紙製パッケージ入り業務用ワンドリップコーヒーを新発売」





※「UCCサステナビリティチャレンジ」は、UCCグループのサステナビリティビジョン「コーヒーの力で、世界にポジティブな変化を」に基づく目標の達成のため、グループ全体で日々取り組んでいるさまざまなサステナブルアクションをご紹介するコンテンツです。

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