コーヒーのおいしさとは
ここでは、おいしいコーヒーの基本となる味わいの要素をご紹介します。
味わいの軸
味を表す基本的な種類には「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」「うま味」の5つがあります。
コーヒーの場合、代表的な味覚は「苦味」と「酸味」であり、下のチャートのように、「苦味」と「酸味」のバランスによって、コーヒーの味わいを表現することがあります。
酸味 | 酸味を特に強く感じることができるのは、浅炒りのコーヒーや、アラビカ種のコーヒー豆。 もちろん抽出条件によっても酸味を引き出せる場合があります。 焙煎が進むと生豆の成分から有機酸がある程度の量生成され、酸味が生み出されると考えられています。 明るさや華やかさのある果実のような「わずかな甘味」を伴った「酸味」は近年のスペシャルティコーヒーの浸透により、以前にも増して注目されています。 |
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苦味 | 苦味を特に強く感じることができるのは、深炒りのコーヒーや、カネフォラ種ロブスタのコーヒー豆。 もちろん抽出条件によっても苦味を引き出せる場合があります。 コーヒー豆に含まれるカフェインやクロロゲン酸、糖など様々な物質がこの苦味成分を形成していると考えられており、味に締まりや力を与え複雑な風味を生み出す重要な要素です。 一般に、口の中に残らないサッパリした「苦味」が良質とされます。 |
香りについて
コーヒーの味は「苦味」と「酸味」だけで完成するわけではありません。
実際にはもっと複雑で、五感(味覚、嗅覚、触覚、視覚、聴覚)が密接に絡み合い、影響を受けながら味が認識されます。
その中でも特に味覚に影響を与える「香り」には、感じとる3つのポイントがあります。
フレグランス | 湯を注ぐ前のコーヒー粉の香りのことを「フレグランス」といいます。最も香りを発する、挽きたての時に感じ取ってみましょう。 |
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アロマ | 抽出したコーヒー液から立ち込める香りを「アロマ」といいます。 挽いたコーヒーの粉に熱湯を注いだとき、その熱によって、コーヒー粉に含まれるいくつかの成分が液体から気体に変化し、コーヒーの香りを形成します。 |
フレーバー | コーヒーの抽出液を口に含んだ際、鼻に抜けるときに感じる香りと味わいを「フレーバー」といいます。 この3タイプの香りそれぞれがコーヒーの個性を表現する際のポイントになります。良質な香り の表現には次のようなものがあります。 香りの例 ・果実の香り(フルーティー) 例)レモン、チェリー、オレンジなど ・草の香り(ハーバル) ・花の香り(フラワリー) 例)ジャスミン、ハイビスカスなど ・ナッツの香り(ナッティー) 例)アーモンド、ピーナッツなど ・麦芽の香り(モルティー) 例)大麦、とうもろこしなど ・カラメルの香り(カラメリー) 生豆の中に存在する成分が、焙煎によって化学反応することで香気成分を形成します。 コーヒーの持つ香気成分は現在800種類以上報告されていますが、未だにすべて解明されてはいません。 |
質感について
コーヒーを口に含んだ瞬間に感じる「質感」のことをマウスフィールと言います。
抽出したコーヒーの成分によっては、まろやかさ、スムース感、とろみや微粉が残る感じなどの特徴を楽しめるでしょう。
カップの形状によっても感じ方は違ってくることもあります。
目や耳で楽しむ
コーヒー液の色合いは浅炒りの琥珀色から深炒りの濃いブラウンまで、焙煎度が増すに従って徐々に濃く変化していきます。
コーヒーの液体を眺めるだけでも、味わいを想像することができます。また、抽出液の微粉の量や油脂分の量によってもコーヒーの質感には重厚感やクリア感が加わります。
他にも、コーヒーから立ち上がる湯気を見ることで体があたたまる気持ちになったり、ポトポトとコーヒーが抽出されていく音を聞くことで気持ちが落ち着いたり、お気に入りのカップや食器とのコーディネートを楽しんだりすることもコーヒーを楽しむ大切な時間の一部と言えるでしょう。