UCC Sustainability ChallengeUCC サステナビリティチャレンジ

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2024.07.25

ベトナムTam Ba農園におけるサステナブルなコーヒー調達の取組み

世界一のロブスタ生産国であるベトナム。現在、そのベトナムでコーヒー生豆の確保が非常に難しいという状況が起こっています。
UCCグループは生豆の安定確保をするため、ベトナムにおける高品質ロブスタ産地であるGia Lai省にあるTam Ba農園と生豆の供給に関する協力関係の強化を進めてきました。今回はUCCグループと長期的な関係を築くTamBa農園についてや、TamBa農園が行っているサステナブルな取組みをご紹介させていただきたいと思います。

Tam Ba農園との取組み

Tam Ba農園とは?

Tam Ba農園はベトナム Gia Lai省 Pleiku市近郊に位置する大規模農園です。ベトナムでは、一般的な農家が有している面積は1~2ヘクタールで、5ヘクタールでも大規模農園とされるのですが、このTam Ba農園は200ヘクタールの面積を誇るということでベトナムでは非常に珍しい大規模農園となっております。
Tam Ba農園では、高品質ロブスタにも力を入れており、スペシャルティグレードのロブスタも生産しています。

Tam Ba農園はこの地に暮らす少数民族の協力のもと拡大してきた背景があるため、農園オーナーの少数民族への想いが強く表れています。同農園で栽培している農作物を少数民族に無償で供給したり、彼らを積極的に雇用(繁忙期は200名以上)したりするなど、少数民族への支援を積極的に行っています。
また、労働者全体に対して一定区間ごとにトイレを設置したり、従業員に対する教育、休憩場所の設定をしたりと労働環境を整えることにも注力しています。

Tam Ba農園との取組み・背景

現在世界一のロブスタ生産国であるベトナムにおいて、コーヒー生豆の確保が非常に難しくなっている理由としては、「需要の増加」と「生産量の減少」が重なっていることが挙げられています。

特に生産量の減少においては、①ベトナムでの土地価格高騰による農地の売却②中国で非常に需要が高くなっているドリアンへの転作が主な原因となっています。
②に関しては、コーヒーよりもドリアンの方が収益性が高く、コーヒーの植え替えの際にドリアン栽培へ切り替える農家が増えており、コーヒーの生産量が減っている現状があります。またドリアンは土中の栄養を多く使うため、周りにコーヒーを植えている場合、コーヒーの生産性にも影響があるのではないかと危惧しています。

生産量の回復がすぐには見込めない深刻な状況下において、UCCグループはコーヒー生豆の安定的な確保を実現すべく、2022年よりTam Ba農園と生豆の供給に関する協力関係の強化を進めてきました。

Tam Ba農園とUCCは協力関係を結んで以来、定期的にUCC社員が農園の方へ赴き技術指導などを行っているだけではなく、農園のオーナーにもUCCベトナムの事務所へお越しいただくなど双方で非常に良好な関係を築いております。

またTam Ba農園はこれまで大口顧客が買い付ける量のコーヒー生豆の精選や自社での輸出は行ったことは無かったのですが、UCCの現地での指導や教育を通して実施できるようになり、今年の2023/2024年クロップより、TamBa農園産のUCC規格に合致するベトナムロブスタ全量の買付をできるようにまで至りました。
この買付契約を通じ、Tam Ba農園との包括的な協力関係をさらに強化し、長期的に買付けを行っていく予定です。

その第一弾として、UCCによる収穫/精選/品質確認/船積みの立ち合いを経て、TamBa農園で生産された初めてのUCC向けベトナムロブスタ生豆が、2024年4月に日本に入港しました。
このTam Ba農園産のコーヒーは、UCCグループが進めるサステナブルなコーヒー調達基準にも合致した生豆になります。
▶▷ UCCサステナビリティHP「サステナブルテナコーヒー調達」ページ

今後もUCCグループはサステナブルな調達を行っていくために、Tam Ba農園との協力関係を強化していき、次回のクロップの買付もさらに買付量を増やしていけるよう取組みを行ってまいります。

農園オーナーからのコメント

Tam Baは地域の少数民族と共に拡大してきた、開設20年の農園であり、直接輸出を始めてまだほんの数年です。そのような中、日本のような、大きくかつ品質に対する要求が高い市場の中でも最大規模のロースターであるUCC社のパートナーに選んでいただいたことは非常に光栄です。

高品質コーヒーを作るための精製から輸出に至るまで、UCCには5年以上にも亘って指導を頂いており、今年の2023/24年クロップにて、ついに初の日本向けの輸出をすることが出来ました。

我々の生産したコーヒーが今後UCCを通じて世界中に広がっていくことは、Tam Baと少数民族にとって、非常に誇らしい事です。今後もUCCとの協力関係をより一層強くして行けるよう、努力を続けていくつもりです。

※「UCCサステナビリティチャレンジ」は、UCCグループのサステナビリティビジョン「コーヒーの力で、世界にポジティブな変化を」に基づく目標の達成のため、グループ全体で日々取り組んでいるさまざまなサステナブルアクションをご紹介するコンテンツです。

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