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2025.12.12
UCCグループは「2030年までにサステナビリティ教育の受講者数30万人」という目標を目指して次世代教育に注力しています。今回、「進研ゼミ」「こどもちゃれんじ」などの教育サービスや生活支援を中心に展開するベネッセコーポレーションと協働し、次世代教育において様々な取組みを進めています。
「企業のサステナビリティ活動を子どもたちの学びにつなげたい」という両社の熱い想いが重なり実現した今回の協働。教材展開やイベントの実施など、現在取組んでいる最新情報をお届けいたします。
ベネッセが配信する小中学校向けICT学習ソフト「ミライシード」の新教材 「オクリンクプラスですぐ使える!企業・団体コラボコンテンツ」 に、UCCの探究学習教材を提供することになりました。このコンテンツは、様々な企業・団体が協働し、教科書で学ぶ内容と実社会の課題や仕事をつなげ、探究できるような内容となっています。
小中学校向けの タブレット/ICTを使った学習支援ソフトのオールインワン・プラットフォームです。学校の授業をデジタル化して、「みんなで学ぶ」+「自分で学ぶ」両方を支える仕組みであり、先生の指導や評価をデータで支援するツールです。2025年3月時点で、全国の10,200校・360万人以上が使っています。
▶▷ 「ミライシード」詳細はこちら
「ミライシード」に入っている協働学習アプリで、発表資料づくりから意見の共有まで一体で行えるものとなっています。子ども主体の学び(自分で考えてまとめる + クラスで対話)を1つのアプリで実現できるだけではなく、先生側も使いやすく、振り返りや評価、発表準備を効率化できます。
▶▷ 「オクリンクプラス」詳細はこちら

●世界の未来と日本の役割
-地球温暖化による2050年問題と向き合うUCCのプロジェクトから学ぶ-
地球規模で変動する環境は、私たちの身近な暮らしと深く関係しています。教材では暮らしに密接する「コーヒー」という飲み物から、関連する気候変動課題について触れ、UCCが実施するエチオピア・タンザニアの2つの生産国の取組みを例に、その解決策を自分たちで考える内容となっております。
遠くの世界で起こっている「他人事」の話ではなく、自分たちの未来に向けて何ができるかを「自分事」として捉えて学びを深めていく機会となることを期待しています。
▶▷ UCC探究学習教材 詳細はこちら
探求学習教材の作成と並行して、芦屋市教育委員会主催である教育イベント「Ashiya Education Day in autumn」内のプログラムにも協働しました。
芦屋市教育委員会は、児童・生徒が全国学力・学習状況調査において学力面では全国平均を上回っていたものの、意欲・主体性においては低い結果であることに課題を感じていました。この課題解決に向けて、市内の教職員による研究チーム「ONE STEPpers」を結成し、子どもたちの実情に応じた探究的な学びを推進しています。
UCCはイベント内のプログラムとして、芦屋市教育委員会・ベネッセと協働し、芦屋市立潮見中学校1年生の「地域企業と連携した探究的な学び」の支援を行いました。

今回の探究学習のテーマは「認証コーヒー」。まず授業内でコーヒーの基礎知識やコーヒー産業の課題、そしてUCCが取組んでいるサステナブルなコーヒー調達の内容などについて先生から生徒たちに講義していただきました。これらを踏まえた上で、認証コーヒーに焦点を当てて、特に日本では、認証マークの認知率や購入率が低いことが課題となっていることを挙げました。
UCCも直面するこの社会課題を題材に「どうすれば認証コーヒーの認知を上げられるか」「どうすれば認証マークがついたコーヒーを買ってもらえるか」を課題提起し、潮見中学校1年生の生徒がグループごとにこの課題解決に向けて探究を進めてきました。中間発表会では、各グループが本気で考え抜いた提案発表に対して、UCCやベネッセがフィードバックを行いました。

中間発表は、10月31日(金)芦屋市立潮見中学校にて行われました。
UCCとベネッセだけではなく、他地域の教育関係者などの見学もあり、多くの大人に見守られる中で生徒たちは発表を行いました。
短い期間だったのにも関わらず、チームで協力して、課題に対する原因を自分たちなりに考えたり、解決策のアイデアを話し合ったりした過程を伺えて生徒たちの熱意の高さが伝わってきました。
解決策の具体的なアイデア提案では、TikTokで若い方たちに楽しみながら認証コーヒーについて知ってもらう仕組みをつくる案や、認証コーヒーを使ったスイーツを販売する案などがあり、中には4時間かけて作ってきたスイーツを披露する場面もありました。
企業では思いつかない中学生らしい観点もあり、これからの次世代を担っていく子どもたちからたくさんの刺激を受けた良い機会となりました。

中間発表当日、学校側から「中学生だからといって手加減しなくて良い。企業目線で本気でフィードバックしてほしい」とお話いただきました。
生徒たちの熱意の高さを見て、UCC社員も中学生だからというフィルター無しに企業目線で率直な意見をお伝えさせていただきました。
生徒たちの課題分析や提案に対し、実際に企業として進めると仮定したときに、不足している点や実現可能性など現実的な目線なども含めてフィードバックしました。
フィードバックに対して真剣にメモを取ったり、追加で質問したりする生徒たちの姿も印象的でした。今回のフィードバックを踏まえて、各グループ11月末の最終プレゼンに向けてブラッシュアップをしていきます。
▶▷ 中間発表の授業レポートはこちら

中間発表を踏まえてブラッシュアップした内容を基に、まず各3つのクラスにて発表&良いプレゼンへの投票をし、各クラスの優勝チームが選出されました。
そして、11月26日(水)に最終プレゼンが行われ、各クラス代表の3チームに対して「最優秀賞」「優秀賞」「特別賞」の順位付けが行われました。
最終プレゼンには、UCCも講評および表彰状授与のため学校へ訪問し見学しました。
最終プレゼンに残った3チームはどれもレベルが高く、多くの時間を割いて準備してきた様子が伝わってきました。

厳選な審査を経て、見事「最優秀賞」を獲得したチームは歓喜に満ち溢れていました。
最優秀賞チームの発表は、UCCが開発した食べるコーヒー「YOINED」の認証コーヒーver.をつくるという提案でした。
単に思いつきでの提案ではなく、認証コーヒーの課題を調べ、スーパーマーケットにてコーヒー売り場の現状を調査したり、コーヒーを購入する大人へのアンケートを行ったりと実地調査の分析も行った結果、「YOINED」に認証コーヒーを使うのが良いのではないかという内容でした。提案に至るまでの過程をしっかりと考えられていた点が大きな評価につながっています。
また、認証コーヒーを使用することで価格が高騰することについては、「ギフト仕様にする」や「個包装にする」といったアイデアも出しておりました。
今回の探求学習は約2か月にも及ぶ期間の学習となりましたが、チームで共通のお題に対して自分たちなりに課題を分析し、解決に向けて取組む過程は単に教科書等を使用する授業では得られない大きな学びがあったのではないかと考えています。
チームで協力して作り上げた提案をクラスメートや企業に向けて発表したという経験が、各生徒にとって大きな自信や刺激につながってくれることを期待しています。

企業のサステナビリティ施策は多岐に渡りますが、UCCさまの取組みはその中でも際立った先進性と本気度を感じます。「森林保全プロジェクト」を初めて知ったとき、民間企業がここまで踏み込んだ活動を実践されていることに強い衝撃を受けました。同時に「この取組みをぜひ子どもたちに届けたい!」と強く思いました。
小規模生産者の暮らしと地球環境の双方を守るという高い志、そして社員の皆さまの情熱が詰まった教材です。これに触れた子どもたちが、社会課題を自分ごととして捉え、未来をつくる一歩を踏み出すきっかけになることを心より願っております。
次世代教育は、同じ熱い想いを持った企業同士が協働し実施していくことで伝えられる範囲や影響度合いも大きく変わってくると考えています。
UCCグループは今後もベネッセコーポレーションと協働し、ともに次世代教育の推進を図ってまいります。
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※「UCCサステナビリティチャレンジ」は、UCCグループのサステナビリティビジョン「コーヒーの力で、世界にポジティブな変化を」に基づく目標の達成のため、グループ全体で日々取り組んでいるさまざまなサステナブルアクションをご紹介するコンテンツです。