UCC Sustainability ChallengeUCC サステナビリティチャレンジ

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2026.03.06

ELPSタンザニアプロジェクトが進展しています!
~現地成果を確認、IFAD総務会でも国際的評価~

ELPS(民間セクター・小規模生産者連携強化)イニシアティブは、農林水産省が拠出し、IFAD(国際農業開発基金)が実施主体となる官民連携の枠組みです。2024年より、第1号案件として開始されたタンザニアにおける「持続可能なコーヒー生産プロジェクト」にUCCと丸紅が参画し、3年で収量倍増を目指して現在取組みを進めています。

【ELPSタンザニアプロジェクトにおけるこれまでの記事】
▶▷ UCCサステナビリティチャレンジ「国際農業開発基金(IFAD)と連携したタンザニア支援プロジェクト」
▶▷ UCCサステナビリティチャレンジ「タンザニアにおける持続可能なコーヒー生産プロジェクトが開始!」

2026年2月、プロジェクトのローンチ後3回目となったタンザニア訪問。今回は小規模生産者にお伝えした農事指導で実際に成果が出始めていることが確認できました。
またタンザニア訪問と同時期に、イタリア・ローマで開催されたIFAD総務会のサイドイベントに招待され、UCCジャパン執行役員が現地でパネルディスカッションに登壇しました。IFAD総務会のサイドイベントに日本の民間企業が招かれるのは初の事例です。

今回はタンザニア現地での進捗成果とIFAD総務会でこのプロジェクトに関して各国から得られたUCCの評価について、現地と本部からの両方の最新情報をお届けしたいと思います。

ELPSタンザニアプロジェクト進捗報告

今回の農事指導と進捗

2月はタンザニアは雨期の終盤で、これまでの指導内容が本格的に効果を発揮する時期でもあります。今回実施した指導内容は大きく4つあります。

① 有機堆肥投入の効果検証(開花結実):従来の肥料を与えた木と比べ、実付きの良さや木の健康向上を確認しました。前回記事でご紹介した現地で手に入る副産物でつくる有機堆肥を使用したものとしていないものとでは、写真の通り実の付き方に一目瞭然の違いがでました。

➁ 剪定木の新芽発芽確認と実践指導:老木化による新芽の発芽が不十分な場合の2次対応を指導しました。昨年に苗木の剪定/台切りのデモンストレーションを行ったので剪定後の経過観察を行いました。その後、剪定した場所から新芽の発芽も確認できたので、今後もサイクル化して順番に剪定することで面積当たりの生産量を増やし、生産量を維持することができる点などを説明しました。

③ 苗木の植え付け指導:根の周辺環境を柔らかく保つことや、施肥用に窪みを設けることなどを重点的に説明しました。若い苗木を畑に植え付けるには、十分な雨量と栄養を吸収し根を張ること(環境への適応)が必須なため、雨期のタイミングで実施することがポイントになります。自作した堆肥を根元に撒きマルチングで新植/流出を防ぐ組み合わせをレクチャーしました。

④ マルチングの効果検証:マルチングによって土壌が保湿され肥料の栄養吸収効率が上昇したり、微生物が活性化した結果、何も生えなかった土地に植物が生え始めました。

現地小規模生産者に芽生える変化

今回のタンザニア訪問で印象に残った点は生産者の表情の変化です。
雨季にあたるこの時期は毎日朝から晩まで激しいスコールが降るのですが、雨の中でも私たちの説明を熱心に聞いてくださり、回を追う毎に生産者の真剣度・本気度が増していると感じています。支援内容がダイレクトに生産者の生計に直結する生産量の向上に繋がっていたり、木の健康状態が目に見えて良くなっていたりするからなのか表情が生き生きとしているのがより強く感じられるようになってきました。

農事自体はシンプルかつ反復作業なので地味に見えてしまいがちですが、農業の基本を忠実に守ることが生産量向上や健康的な畑づくりへの第一歩であり、根幹です。生産者の目線に立って一緒に作業することで、徐々に信頼関係も築けてきていると実感しています。

IFAD総務会サイドイベントへの参加

UCCは2月10日~11日にイタリア・ローマで開催されたIFAD総務会のサイドイベントに参加しました。
IFADは、開発途上国の農村部における飢餓と貧困を打破することを目的に設立された、国連の専門機関および国際金融機関です。その最高意思決定機関である「総務会」には、世界中から閣僚や政府高官が集まり、農村開発の未来を議論します。

2026年総務会テーマのひとつは、民間セクターの力を活用した持続可能な食料システムの構築です。UCCが登壇したサイドイベントは、世界各国のリーダーたちが注目する、最も革新的な取組みを共有するプラットフォームとして開催されました。

なぜUCCが招待されたのか

UCCは、農林水産省が推進する「ELPSイニシアティブ」の第一号案件のパートナー企業として、タンザニアでのコーヒープロジェクトを牽引しています。40年以上にわたり培ってきた栽培技術と品質への情熱、そして政府・国際機関・民間企業を繋いで迅速に成果を出す「官民連携の理想的なモデル」であることが評価されました。日本の技術で現地の生産性を飛躍的に高める実行力が、国際社会から大きな期待を集めています。

議論された主要テーマ

パネルディスカッション内で、気候変動による『コーヒーの2050年問題』という非常にチャレンジな課題に対して、農林水産省、IFAD、丸紅、UCCという4者が強みを融合させることで、リスクをビジネスチャンスに変えられることを具体的に解説しました。

支援対象エリアにおけるタンザニアでの生産量を倍増させるという野心的な目標に対して日本の官民とIFADの強いリーダーシップの元、現地農家と共に汗を流し着実かつスピーディーに成果を上げていることを説明し、会場からも強い興味・反応がありました。

国際機関・政府関係者からの評価(※一部抜粋)

本プロジェクトについて、小規模生産者支援と民間企業の持続的調達を両立させるモデルとして高い評価をいただきました。

在ローマ国際機関日本政府代表部 公使参事官 新藤光明 さま
「途上国の農村において、支援の手が届きにくかった小規模生産者に光を当て、農業生産基盤やサプライチェーンを構築する。日本企業は高品質な原材料を安定的に調達し消費者に届けることができる。第1号案件はまさにその試金石でした。UCCプロジェクトの成功、そして、里見本部長によるその知見・経験の横展開は、これまでの開発支援のあり方に一石を投じるものだと確信しています。」

IFAD本部テクニカル・デリバリー局 局長 ピターネル・ブーガード(Pieternel Boogaard)さま
「タンザニアの小規模コーヒー生産者が、企業とのWin-Winのパートナーシップを通じて生産性を向上させ、国際市場へのアクセスを実現するELPSイニシアティブを成功に導いているUCCジャパンのリーダーシップに感謝の意を表したいと思います。」

今回パネルディスカッションに参加した役員からのコメント

UCCジャパン株式会社 執行役員(サステナビリティ経営推進本部長) 里見 陵

国連の専門機関の本部という場所で行われたパネルディスカッションは、独特の緊張感と世界中から集まった人々の熱気に満ちていて、一パネリストとして参加できたことは純粋にとても楽しい経験でした。
会場で何より驚いたのは、私たちが進めている「ELPS」への注目度の高さです。農林水産省、IFAD、丸紅、そしてUCC。この4者がそれぞれの専門性を活かし、パズルのピースがピタッとはまるようにシナジーを生み出している。そのチームワークの強さを、自信を持って世界に伝えることができました。

でも、本当の勝負はここからです。今回のプロジェクトを確実に成功させ、その成果をタンザニア全土へと広げて大きなインパクトを出していく。そして最終的には、その努力の結晶である美味しいコーヒーを日本へ届け、消費者の皆さまに喜んでいただくまで、一気通貫でやり遂げたいと考えています。このワクワクする挑戦を、これからも走り抜けます!

今後もタンザニア小規模生産者支援に向けて、引き続きELPSタンザニアプロジェクトを行ってまいります。進捗はまた公開いたしますのでお楽しみに!

関連URL

▶▷ UCCニュースリリース「日本企業初!国連専門機関IFAD総務会サイドイベントでのパネルセッションにUCCが登壇、ELPSタンザニアプロジェクトについて紹介」
▶▷ YouTube「IFAD総務会振り返り」
▶▷ YouTube「IFAD総務会サイドイベントの様子」
▶▷ X「IFAD投稿記事」
▶▷ Instagram「IFAD投稿記事」



※「UCCサステナビリティチャレンジ」は、UCCグループのサステナビリティビジョン「コーヒーの力で、世界にポジティブな変化を」に基づく目標の達成のため、グループ全体で日々取り組んでいるさまざまなサステナブルアクションをご紹介するコンテンツです。

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