UCC Sustainability ChallengeUCC サステナビリティチャレンジ

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2023.07.04

ベトナムにてUCC品質コンテストが開催されました

2023年5月、ベトナム中部高原に位置するベトナムアラビカコーヒーの主要産地ダラット(ラムドン省)にてUCC品質コンテストが開催されました。UCC品質コンテストは生産者のモチベーション向上と生産地の関係強化のために行っているイベントです。2001年にブラジルのエスピリトサント州で初めて開催されて以来、開催国を徐々に増やし、現在では世界7か国で開催の実績があります。
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ベトナムでは2015年に初めて開催し、今年で9回目を迎えましたが、年々出品されるコーヒーのレベルが上がってきており、生産者の品質改善に対する意識が根付いてきていることが感じられました。生産者と良好な関係性を築き、良質なコーヒーを持続的に生産できるようにするために、今回はコンテストに紐づけた3つの新たな取組みを行いましたので、品質コンテストの様子と併せてお届けいたします。

第9回 UCC品質コンテストの開催

今回の品質コンテストは23のアラビカコーヒー農家のエントリーがありました。厳正な1次審査を経た10ロットを、日本・ベトナム・アメリカからの審査員5名(Qグレーダー)がカッピングにて品質評価し、さらに農園のサステナビリティ要件の評価点を加味して、最終順位を決定しました。

今回見事ベスト3に選ばれたのは以下の生産者になります。
第1位 : Pham Ngoc Tuanさん(画像:中央)
第2位 : Pham Ngoc Coiさん(画像:右)
第3位 : Nguyen Duc Thanhさん(画像:左)

第1位のファム・ゴック・トゥアンさんの農園は、丁寧に管理されていることがコーヒーの木を見てすぐわかりました。出来るだけ農薬を使わない栽培方法や、日本製の良質な有機肥料の活用など、こだわりをもって栽培されているコーヒーだったため、他の農園には無い繊細な風味が感じられました。

第2位のファム・ゴック・コイさんの農園は、日光に弱いコーヒーを守るためのシェードツリーがしっかりと植えられており、コーヒーの木が健康的に育っていました。

第3位のグエン・ドク・タンさんは新しい取組みに熱心な方で、農園内で様々な品種のコーヒーを栽培したり、チェリーの乾燥用のベッドを導入していたり、他の農園とは違う雰囲気がありました。有機認証取得にも挑戦する予定で、他の生産者よりもサステナビリティ要件のスコアが高かったことで順位が上がり、3位に入賞しています。

入賞した生産者の方には、賞状や盾の他、入賞賞金が贈呈されました。表彰台では緊張のため表情が少しかたい様子も見られましたが、懇親会では笑顔で家族と喜びを分かち合っていました。
このコンテストの様子は、複数の地元メディアにも取り上げられており、翌日にはTVニュースや新聞などに数多く掲載されました。
(右画像は、コンテストに出場された生産者の全体写真です)

入賞したコーヒーはUCCが買い取り、日本でも販売される予定です。1位を獲得したコーヒーはコーヒー豆の対面販売を行っているUCCカフェメルカードで期間限定商品として販売されます。

ベトナム品質コンテストにて取組んだ3つの新たなチャレンジ

品質コンテストの会場をダラット大学農学部に

今回の品質コンテストは初の試みとして、ラムドン省にあるダラット大学内の農学部の講堂を会場に実施しました。大学を会場にした理由としては、ベトナムのダラットでは若者の農業離れが進んでおり、若いコーヒー農家が減ってきてしまっていることがあります。少しでもコーヒーの魅力が学生たちに伝わればとの想いで学生の出入りが自由にできる地元の大学が会場として選ばれました。

当日は実際に、大学にいた学生たちが気軽に出入りしてコーヒーを楽しんでいる様子が見られました。この品質コンテストをきっかけにダラット大学との関係強化にも繋がったことから、この会場でコンテストを開催した意義は大きいです。

また、会場入り口にはUCC製品も並べて製品の紹介を行い、収穫後のコーヒーが消費国でどのような形で販売されているか知っていただく機会を設けました。さらには、来場者に気軽にコーヒーを楽しんでもらうため、入り口から入ってすぐの場所ではコーヒーをサーブするブースを設置し、コーヒーの提供も行いました。

そのほか、軽食としてフルーツやお菓子も用意され、会場はたくさんの人で賑わいました。

生産者向けの精製に関するセミナーを初開催

品質コンテスト当日の午前中に農家向けのセミナーを開催しました。こちらも今回からの初の取組みで、講師はホーチミン市内でスペシャルティコーヒーショップを経営しているフン氏が行いました。(左画像:講師を務めるフン氏)

通常のコーヒーの品質を向上させるための手法だけではなく、コーヒーに付加価値を付ける新たな精製方法(プロセス)についても紹介がありました。
約50分間の講義の後には質疑応答の時間も設けられていたのですが、質疑応答だけで1時間を費やすほど、生産者のみなさんは興味津々でセミナーに参加していました。

今回は精製方法に焦点を当てたセミナーだったのですが、精製だけではなく、栽培についても詳しく知りたいという方が多かったため、質疑応答では品種や栽培方法に関する質問も数多く出ていました。

農園視察と農事指導の実施

品質コンテストの翌日、入賞した生産者の農園に足を運び、栽培環境の確認や必要に応じてアドバイスを行いました。
コンテストに参加されるベトナムの生産者は、意欲はあるものの、まだまだ知識が追い付いていないという方が多い状況であるため、改善点を知ることができる今回のような機会を、とても喜んでいただけました。

視察では、使用する肥料の種類やコーヒーの木のメンテナンス方法などがアドバイスするポイントとなりました。ほかにも生産者から、シェードツリーを育てたい、より味覚の優れた品種のコーヒーに植え替えたいという声が挙がりました。

UCC品質コンテストは今年で22年の歴史を迎えますが、ただコンテストを開催するというだけではなく、生産者が抱えている栽培に関する課題などに対して一緒に考えていく関係性を築くことがこのイベントを実施する1つの意義だと考えております。
生産国と消費国、お互いがwin-winのサステナブルな関係性を築き、より品質の良いコーヒーを生産できるようにするために、UCCグループはこれからも品質コンテストの開催を継続してまいります。

関連URL

▶▷ UCCサステナビリティチャレンジ「UCC品質コンテスト(ジャマイカ)」記事はこちら
▶▷ UCCサステナビリティチャレンジ「UCC品質コンテスト(ブラジル)」記事はこちら



※「UCCサステナビリティチャレンジ」は、UCCグループのサステナビリティビジョン「コーヒーの力で、世界にポジティブな変化を」に基づく目標の達成のため、グループ全体で日々取り組んでいるさまざまなサステナブルアクションをご紹介するコンテンツです。

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